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京都和菓子歳時記−2016年4月−・きょうの『和菓子の玉手箱』

和菓子歳時記ー2016年4月ー

和菓子ライフデザイナー小倉夢桜−Yume−が
ご紹介する京都の素敵な和菓子の世界。
新たな京都を感じてみませんか。

ギャラリー

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2016年4月6日

菓銘『都をどり』
鍵善良房
京都市東山区祇園町北側264番地
(075)561-1818


京都では早咲きの河津桜は既に葉桜となっています。
そして、先週見頃となっていた一重の枝垂れ桜は散り桜となり、ソメイヨシノの見頃も後わずかとなってきました。
花風にのって、花びらが舞う光景が切なく感じる日々です。
とは言いましても、これからは八重紅枝垂れ桜が見頃へと向かいます。

卯月となり京都祇園では、春の風物詩であります『都をどり』が、上七軒歌舞練場の北野をどりに続いて、
祇園甲部歌舞練場で始まりました。
連日、大勢の観客で賑わっています。

今春で144回目となる今回の演題は『名所巡四季寿』。
全国各地の名所を取りあげて春夏秋冬の四季の移ろいを感じることができる演目となっています。
とりわけフィナーレでは、『姫路城桜霞(ひめじじょうさくらのかすみ)』という演目で白鷺城を背景に総をどりが
行われ、華やかに締めくくられます。

今回は、祇園甲部歌舞練場からほど近くにありますお店で販売されている、都をどりにちなんだお菓子です。
祇園甲部の紋章である『つなぎ団子』の焼印を入れ、都の春をイメージする桜と柳の色をあ しらった薯蕷製の
お菓子です。
お菓子から京都ならではの春を感じてみてはいかがでしょうか。

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2016年4月13日

菓銘『春の日和』
とらや 京都一条店
京都市上京区烏丸通一条角広橋殿町415
(075)441-3111


桜色に彩られていた京都は、 染井吉野の花吹雪が舞い、新緑の季節へと移り変わろうとしています。
紅葉に目を向けると瑞々しい若葉が芽生えはじめています。
とは言いましても京都の桜シーズンは、まだ終わりません。

賀茂川沿いに全長800メートル続く桜の並木道『半木(なからぎ)の道』。
そして、谷崎潤一郎が小説『細雪』の中で「紅の雲」と称えた平安神宮神苑の桜。
いずれも八重紅枝垂れ桜が見頃を迎えています。
風にたなびく美しい紅色の桜を目にしないと、京都の桜を見た気がしないと思う方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。

この時期の京都でのもう一つの楽しみは、京の『をどり』。
4月1日より始まった祇園甲部の『都をどり』に続いて、4月2日からは宮川町の『京おどり』も華やかに開催されて
います。
この『をどり』の楽しみは、芸妓さん、舞妓さんの舞い踊る姿はもちろんのこと、「茶券付特別席」を求めると
開演前に受けることができる芸妓さん、舞妓さんがお点前をおこなう茶席。おみやげとして持ち帰ることができる
団子皿の上にのせられたお菓子、そしてお抹茶をいただきます。

今回は、『都をどり』の茶席でいただくことができるお菓子をご紹介させていただきます。
桜の焼印が押された薯蕷饅頭。
四月中旬までは、写真のような桜色のぼかしが入れられていますが、それ以降は葉桜の趣きを感じることができる
緑色のぼかしへと変わります。
お菓子から今の京都をぜひ感じてください。

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2016年4月20日

菓銘『山吹』
笹屋吉清
京都市左京区下鴨東半木町67
(075)781-0904


京都では新緑に癒される日々が続いています。
言うまでもありませんが京都には多くの寺社があります。
寺社には様々な草木が植えられており、新緑を身近に感じることができます。

ただ今、松尾大社では、約3000株の山吹が見頃を迎え、萌黄色と山吹色の世界が境内に広がっています。
この時期、関西一の山吹の名所である松尾大社には多くの参拝者が訪れます。
松尾大社境内を流れる一ノ井川のほとりには、多くの山吹が花を咲かせ参拝者の目を楽しませています。
水面には、その山吹が映り、幻想的な光景となっています。
一ノ井川に架かる橋に身をおいていると、どこか違う世界に迷い込んだかのような不思議な感じになります。

今回は、特別にお願いをして作っていただいた山吹を題材にしたお菓子をご紹介させていただきます。

まず写真左側は、一輪の山吹の花を意匠にしたお菓子です。
菓銘を『山吹』と名付けました。
そして、写真右側は、春の終わりが近づいている情景を意匠にしたお菓子です。
菓銘を『晩春』と名付けました。
春から初夏へ、季節のうつろいを感じるお菓子です。

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2016年4月27日

菓銘『藤花』
緑菴
京都市左京区浄土寺下南田町126-6
(075)751-7126


今年の京都は季節が少し早く進んでいるようです。
藤棚があるほとんどの寺社ではもう既に藤の花が見頃を迎えています。
そよ吹く風にたなびく姿は優雅そのもの。
その様子から高貴な花として奈良時代より親しまれてきました。

また、寿命が長く、繁殖力が強いことからおめでたい植物とされ、家紋や文様としても用いられてきました。
垂れ下がった藤の花を円状にあらわした『下り藤』。
藤の花を上にして円状にあらわした『上り藤』など様々なデザインがあります。
暮らしの中で無意識のうちに藤の花のデザインにみなさんも触れていることだと思います。

お菓子の世界でも藤の花の意匠は様々。
今回は、その藤の花を意匠にしたお菓子のご紹介です。
藤の花の青みがかった『藤色』と新緑の『萌黄色』のぼかしが藤の花の高貴なイメージを上手く引き出している
薯蕷製のお菓子です。
藤の花のお菓子から初夏へと向かう京都を感じてみませんか。


profile

小倉 夢桜−Yume− (おぐら ゆめ)

京都在住。
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファーとして、四季折々の京都を発信。
手のひらにのせた和菓子から小さな幸せを感じ、『手のひらの幸せ』をより多くの方に伝えたい!
その想いから2012年より、自身が立ち上げた【きょうの『和菓子の玉手箱』】。
こちらでは京都の素敵な和菓子たちの世界を毎日お届けしている。
立ち上げて以来、自身が食べた和菓子の数は数千個に及ぶ。
数々の和菓子を見て、食べて感じた経験を活かして、テレビ番組製作の監修をはじめ、執筆活動や講演など
京都の和菓子をより多くの方に身近に感じていただく活動を行っている。
現在は月刊京都(白川書院)で【月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』】を連載中。


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