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京都和菓子歳時記-2017年9月-・きょうの『和菓子の玉手箱』

和菓子歳時記ー2017年9月ー

和菓子ライフデザイナー小倉夢桜-Yume-が
ご紹介する京都の素敵な和菓子の世界。
新たな京都を感じてみませんか。

ギャラリー

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2017年9月6日

菓銘『栄西』
長久堂
京都市北区上賀茂畔勝町97-3
(075)712-4405
(ご購入の際はお問い合わせください)


9月に入り京都市内は一段と秋めいた気候になってきました。
爽やかな青空に描かれたように浮かんでいる雲。
空を見上げているのが楽しい季節です。
気候がよくなり、つい出かけたくなるものです。
京都府南部では、今年の4月より2018年3月まで『お茶の京都博』と題してお茶にまつわるさまざまなイベントが
随時行われています。
新茶といえば、5月に摘まれる茶葉の印象が強いですが、それはあくまでも一番茶と呼ばれるものです。
の後、伸びる芽を摘み取ったものを二番茶、三番茶と呼びます。
そして、9月下旬頃に摘み取る茶葉が今年最後となり『秋摘み茶』と呼ばれます。
厳しい夏を乗り越えたお茶の風味は春の新茶とは違う風味だということで多くの方が好まれます。
今回は、お茶にちなんだお菓子のご紹介です。
近年のお抹茶ブームの影響でお抹茶の入った洋菓子やスナック菓子を多く見かけます。
いっぽう上生菓子の世界では、私が知る限りではお抹茶を使用したお菓子をあまり見かけません。
こちらのお菓子は、白こしあんにお抹茶をふんだんに使い、作ったお抹茶あんを外郎で包んでいます。
意匠は、お仕覆(しふく)という、茶入や茶碗などの道具類を入れる袋を表現しています。
今では、日常的にたしなんでいるお茶。
そのお茶を広めた方が建仁寺開山・栄西禅師です。
栄西禅師『喫茶養生記』の中で【茶は末代の仙薬にして、人倫延命の妙術なり】と説き、日本に広めました。
当たり前のようにいただいているお茶ですが、栄西禅師に思いを馳せながらお茶をいただくと味わい深く感じ
られるのではないでしょうか。


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2017年9月13日

菓銘『虫の音』
松壽軒
京都市東山区松原通大和大路西入弓矢町19-12
(075)561-4030
(ご購入の際はお問い合わせください)


二十四節気『白露』となって以来、一段と朝夕の涼しさを感じるようになってきました。
虫たちも本格的な秋の訪れに喜んでいるかのように月夜の下で美しい音色を聴かせてくれます。
虫の音をBGMに読書。
この上ない幸せです。
京都での『秋の夜長』を存分に満喫したいものです。
高台寺では、ただ今、毎年恒例の『秋の夜の観月茶会』が9月24日(日)までの金曜日、土曜日、日曜日に
行われています。
秋の月、虫の音、秋草を楽しんでいただける茶会は、秋の夜長にはうってつけではないでしょうか。境内に
あるお茶室『湖月庵』でのお茶席で秋を存分に感じて、境内を散策。
秋の夜を限られた人数で過ごすひと時は、日中の賑やかさとは別世界です。
今回は、高台寺御用達のお店が作るお菓子のご紹介です。
『秋の夜の観月茶会』に参加されたことがある方は、召し上がったことがあるこちらのお菓子。
月に見立てた外郎に秋の草。
そして、秋の虫を小豆で表現したお菓子です。
愛でているだけで澄んだ虫の音が聞えてきそうな素敵なお菓子です。


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2017年9月20日

菓銘『萩』
聚洸
京都市上京区大宮寺之内上ル
(075)431-2800
(ご購入の際はお問い合わせください)


本日、9月20日は彼岸入り。
この時期は、例年お墓参りをされるご家族の様子を京都市内の寺院で多く見かけるようになります。
そして、和菓子屋では『おはぎ』を買い求めるお客で賑わいます。
春のお彼岸には『ぼたもち』、秋のお彼岸には『おはぎ』と呼ばれて親しまれている和菓子です。
その理由は諸説あるようですが、牡丹の花に見立てたところから『ぼたもち』とよばれ、萩の花に見立てた
ところから『おはぎ』と呼ばれるようになった説が一般的です。
その萩の花が、出町柳駅近くの『常林寺』では、先日より見頃を迎えています。
境内に溢ればかりと咲く萩の花が散りこぼれるさまに風情を感じずにはいられません。
古来より多くの和歌に詠まれているのもわかるような気がします。
今回は、その秋の代表的な花『萩』をモチーフにしたお菓子をご紹介します。
外郎で萩の葉を見立てて、その上にいら粉を花に見立てて表現したお菓子です。
美しい曲線が萩の特徴である葉をうまく表現していてとても印象的です。
今週末の土曜日と日曜日には、萩の名所として有名な萩の宮・梨木神社で毎年恒例の『萩まつり』が
行われます。
萩の花に包まれながら、数々の伝統芸能を観賞して過ごしてみてはいかがでしょうか。



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2017年9月27日

菓銘『みのり』
茶寮・宝泉
京都市左京区下鴨西高木町25
(075)712-1270
(ご購入の際はお問い合わせください)


空がとても高く感じられる時期となってきました。
刻々と変わりゆく雲の様子をずっと眺めているだけでとても幸せな気持ちになります。
京都は他の都市に比べて比較的、高い建物が少ない為、空を見渡すことが容易にできます。
自然を身近に感じられることの素晴らしさ、大切さを改めて痛感します。
市街地を離れて、大原や嵯峨野、洛西などの田園風景が広がる地域では、黄金色に輝いた稲穂が秋風に揺れ、
栗などの山の幸が実り、秋らしい風景となってきました。
今回は、収穫を題材にしたお菓子をご紹介します。
五穀の一つである『粟』を主原料として作られた粟羊羹。
その形もさることながら独特のもっちり感がとても印象的なお菓子です。
粟は古事記や日本書紀にも登場する古来より栽培されている穀物です。
古に想いを馳せて、収穫に感謝をして召し上がってみてはいかがでしょうか。




profile

小倉 夢桜-Yume- (おぐら ゆめ)

京都在住。
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファーとして、四季折々の京都を発信。
手のひらにのせた和菓子から小さな幸せを感じ、『手のひらの幸せ』をより多くの方に伝えたい!
その想いから2012年より、自身が立ち上げた【きょうの『和菓子の玉手箱』】。
こちらでは京都の素敵な和菓子たちの世界を毎日お届けしている。
立ち上げて以来、自身が食べた和菓子の数は数千個に及ぶ。
数々の和菓子を見て、食べて感じた経験を活かして、テレビ番組製作の監修をはじめ、執筆活動や講演など
京都の和菓子をより多くの方に身近に感じていただく活動を行っている。
現在は月刊京都(白川書院)で【月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』】を連載中。


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