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京都和菓子歳時記−2017年1月−・きょうの『和菓子の玉手箱』

和菓子歳時記ー2018年1月ー

和菓子ライフデザイナー小倉夢桜−Yume−が
ご紹介する京都の素敵な和菓子の世界。
新たな京都を感じてみませんか。

ギャラリー

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2017年1月3日

菓銘『悠久』
長久堂
京都市北区上賀茂畔勝町97-3
(075)712-4405
(ご購入の際はお問い合わせください。)


新年の和菓子屋さんには、多くの縁起物にちなんだお菓子が並び、店頭が一年で最も華やかになります。
日頃は、店頭で上生菓子を販売していない和菓子屋さんも販売するほど、新年を迎えた京都には欠かせないお菓子です。
松竹梅をはじめ鶴亀、干支にちなんだ犬のお菓子など、おめでたい意匠のお菓子たちに目を奪われます。
見ているだけでも幸せな一年となりそうな気分。
口に入れると、その気分は更に高まります。
「これで幸せな一年を約束されたようなもの!」
そのように思いながら毎年、お菓子と共に新年を過ごします。
今回は、そのような気分にさせてもらえるお菓子をご紹介します。
新年を迎え新たな気持ちで、また一歩スタートを切る想い。
初空の美しい色合いを表現したお菓子です。
京都のお正月に生菓子をいただくという文化は大切な伝統として、今なお受け継がれています。
新しい文化も加わりながら、果てしなく続いて欲しいという思いを重ねて付けられた『悠久』という菓銘です。
みじん羹の中の大納言小豆がアクセントとなり壮大な天空を感じるお菓子です。
大切な一年のはじまりに皆さんもぜひ和菓子で縁起を担いでみてはいかがでしょうか。

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2017年1月10日

菓銘『初詣』
鍵善良房
京都市東山区祇園町北側264番地
(075)561-1818
2018年1月14日まで販売
(ご購入の際はお問い合わせください。)


年が明けて、初節句も終わり早いものでもう10日となりました。
祇園界隈では、笹に宝船や小判などいっぱいの縁起物を飾りつけた福笹を持ち歩いた人々が行き交います。
『節目正しく真直に伸び』、『一年中青々と繁る』、『弾力があり折れない』という理由から商売繁盛、
家運隆盛の象徴として笹は親しまれてきました。
京都ゑびす神社の御本殿前には、「今年こそは!」と意気込む方。
「今年も昨年同様に!」と感謝の気持ちも込めてお詣りをされる方など様々。
さて、みなさんはどのような気持ちでお詣りされるのでしょうか。
御本殿前でお詣りをする際には、まず鈴を鳴らし、清らかな音色で自身を祓い清めることから始まります。
今回は、お詣りの際に欠かすことができない鈴をモチーフにしたお菓子のご紹介です。
京都ゑびす神社からほど近くで営む、こちらのお店がこの時期販売しているお菓子は、色鮮やかで神々しくも
感じる外郎製のお菓子です。
その名も『初詣』。
正月は忙しくて初詣がこの十日ゑびすという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
縁起物の一つとしてご参拝のお帰りにお立ち寄りになって福を引き寄せてみてはいかがでしょうか。
多くの参拝者でなかなか鈴を鳴らしてのお詣りは大変かもしれませんが、せっかくお詣りに来たからには鈴を
鳴らしてのお詣りをしたいものですね。

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2017年1月17日

菓銘『探梅』
長生堂
京都市左京区下鴨上川原町22-1
(075)712-0677
(ご購入の際はお問い合わせください。)


最高気温が10℃を切る寒い日中が続いた先週の京都市内。
ひと気のない寺社で凛とした空気の中を過ごすひと時は格別です。
お正月気分もひと段落して、例年であれば、しばらくの期間は静かな京都が戻ってきます。
日常から離れて、疲れた心を癒しに出かけてみてはいかがでしょうか。
1月半ばを過ぎると気になるのが北野天満宮の梅の花。
北野天満宮へ出かけては、ほころんだ蕾を探して回ります。
境内北側の摂社・地主神社の傍らに植えられている『雲龍梅』に数輪のほころんだ蕾を見つけました。
枝振りがクネクネと曲がっている様子が独特で印象的な梅です。
その様子がまるで龍が天に舞い昇るように見えるところから『雲龍梅』と名付けられています。
来週の初天神が行われる頃には、多くの蕾がほころんでいるかも知れません。
ひと足早い春を感じてみてはいかがでしょうか。
今回は、この時期に咲く、梅にちなんだお菓子をご紹介します。
早咲きの梅を求めて探すことを『探梅(たんばい)』といい、俳句の世界では、冬の季語として扱われます。
その探梅を菓銘にした梅を模った道明寺製のお菓子です。
この時期らしく、氷餅をまぶして梅の花に雪が降り積もった情景を表現しています。
寒さの中に、春を感じるお菓子です。


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2017年1月24日

菓銘『紅白つばき』
亀屋
京都市山科区四ノ宮堂ノ後町17
(075)581-0016
(ご購入の際はお問い合わせください。)


一月も終盤になり、京都の寺社仏閣では、椿の蕾がほころび始めている光景を目にするようになってきました。
俳句の世界では、春の季語である『椿』。
桜、梅に並び、まさに文字通りに春の代表的な花です。
花の歴史は古く、奈良時代にまで遡ります。
古事記にも登場し、古くから神聖な樹木とされてきました。
その椿ですが、現在まで品種改良が繰り返され、『藪椿』、『蝦夷錦』、『侘助』など、国内には2000種以上の種類があると言われています。
ひと言で椿と表現するのは難しいのが現状かもしれません。
今回は、その椿にちなんだお菓子のご紹介です。
縁起物として様々な種類がある和菓子。
それは人々の暮らしに根付いてきたからこそだと思います。
古来より長寿の木とされ、縁起物として親しまれてきた椿。
縁起物のイメージを大切に紅白の色合いで椿を模った練り切り製のお菓子です。
椿が咲くこの時期だけの縁起物のお菓子で縁起を担いでみてはいかがでしょうか。


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2017年1月31日

菓銘『懸想文』
茶寮・宝泉
京都市左京区下鴨西高木町25
(075)712-1270
(ご購入の際はお問い合わせください。)


明日からは如月。
もう二十四節気『立春』が間近となってきました。
京都市内を散策していると春の兆しを見つけられる時期です。
立秋から下がりはじめた平均気温が、立春を迎えるとともに上昇へと転じはじめます。
その立春の前日が『節分』となります。
文字通りの季節の分かれ目には、邪気が入りやすいと考えられており、その邪気払いの一つとしてお馴染みの
豆まきが現在も行われています。
京都では、様々な社寺で節分の日に、節分行事が執り行われます。
その節分行事では、鬼が出てくる『追儺式』が一般的でよく見られる神事です。
今回は、節分に京都で唯一、須賀神社で見られる懸想文売りにちなんだお菓子のご紹介です。
2月2日と3日に須賀神社では実際に存在していた懸想文売りを再現した二人組に会うことができます。
懸想文とは、現在で言うラブレター(恋文)のようなもの。
限られた身分の人しか文字が書けなかった時代。
貧しくとも教養のある貴族達が副業として、ラブレターを知性溢れる文脈で代筆してました。
貴族たちは、自身の身元が分からない様に烏帽子に水干姿で顔を隠して梅の枝を肩に担ぎ懸想文を売っています。
懸想文売りが持ち歩いていた、梅の木の枝に懸想文を挿した様子を表現した白小豆の羊羹製のお菓子です。
想いを寄せる方へ懸想文とともに手渡してみてはいかがでしょうか。



profile

小倉 夢桜−Yume− (おぐら ゆめ)

京都在住。
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファーとして、四季折々の京都を発信。
手のひらにのせた和菓子から小さな幸せを感じ、『手のひらの幸せ』をより多くの方に伝えたい!
その想いから2012年より、自身が立ち上げた【きょうの『和菓子の玉手箱』】。
こちらでは京都の素敵な和菓子たちの世界を毎日お届けしている。
立ち上げて以来、自身が食べた和菓子の数は数千個に及ぶ。
数々の和菓子を見て、食べて感じた経験を活かして、テレビ番組製作の監修をはじめ、執筆活動や講演など
京都の和菓子をより多くの方に身近に感じていただく活動を行っている。
現在は月刊京都(白川書院)で【月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』】を連載中。


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