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京都和菓子歳時記−2017年1月−・きょうの『和菓子の玉手箱』

和菓子歳時記ー2018年3月ー

和菓子ライフデザイナー小倉夢桜−Yume−が
ご紹介する京都の素敵な和菓子の世界。
新たな京都を感じてみませんか。

ギャラリー

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2017年3月7日

菓銘『春霞』
茶寮・宝泉
京都市左京区下鴨西高木町25
(075)712-1270
(ご購入の際はお問い合わせください。)


京都市内の梅がここ数日の暖かさに誘われて一気に開花しました。
梅林が見頃となった北野天満宮では、『京菓子コレクション』が先日行われました。
多くの方が来場され、京都の老舗和菓子店の味を香しい梅の花と共に楽しまれていました。
みなさんの楽しそうな雰囲気を拝見していると改めて和菓子が幸せを届けてくれていることを感じました。
和菓子に関わっていられることを有難く思います。
これからの時期、よく耳にする『春霞(はるがすみ)』という言葉。
霞は、霧や靄(もや)の事であり、遠くの風景がぼやけている現象のことです。
古来より、現象は同じでも、春には『春霞』、秋には『秋霧』と呼び方を変えて表現しています。
このようなことからも古来の人々は、言葉をとても大切に扱ってきたことを感じることができます。
今回は、その春霞にちなんだお菓子をご紹介させていただきます。
外郎地に春を代表する色の若葉色と桃色をぼかして、風景がぼやけている様子を表現しているお菓子です。
このような色合いのお菓子を目にするといよいよ春がやって来たんだと感じます。
お菓子から、みなさんそれぞれの風景を思い浮かべて春を感じてみてはいかがでしょうか。


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2017年3月14日

菓銘『桜餅』
船屋秋月
京都市右京区宇多野福王子町13-3
(075)463-2624
(ご購入の際はお問い合わせください。)


京都市内に植えられている河津桜の固かった蕾がようやくほころび始めてきました。
これからの時期、和菓子好きの方をはじめ多くの方々が買い求める『桜餅』。
春を味覚から存分に感じることができるお菓子です。
小麦粉などで生地を焼いた皮で餡を巻き、塩漬けした桜葉で巻いた関東風の『長明寺』。
そして、道明寺粉を使用して餡を包み、その後、塩漬けした桜葉で包んで仕上げた関西風の『道明寺』。
いずれも日本を代表する春のお菓子と言っても過言ではないのではないでしょうか。
こちらのお店の桜餅は、京菓子らしく、二枚の桜葉を使用して仕上げられた道明寺の意匠となっています。
口いっぱいに広がる桜の香り。
幸せを感じる瞬間です。
楽しみな時期がやってきました。


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2017年3月21日

菓銘『花見だんご』
游月
京都市左京区山端壱町田町8-31
(075)711-1110
(ご購入の際はお問い合わせください。)


各地から花便りが届けられるようになってきました。
京都では、出町柳・長徳寺のオカメ桜や京都御苑・近衛邸の糸桜などが咲き京都を彩っています。
桜好きの方は、気分がソワソワする頃ではないでしょうか。

そして、気になるのがおいしそうな和菓子。
どのお菓子にしようかと目移りしまうほど数多くのお菓子が店頭に並びます。
その中でも、この時期に一度は食べたい華やかな三色のお団子。

花見だんごとして皆さんにも親しまれていることだと思います。
市民権を得ていると言っても過言ではない、お花見には欠かせないお菓子です。

お花見は平安時代には、既に貴族の間で行われていました。
その当時の桜はソメイヨシノではなく山桜で、和歌を詠み合ったり、雅楽や舞などの風流(ふりゅう)を楽しむものでした。
時代を経て1598年に行われた『醍醐の花見』で諸国のお菓子が持ち寄られて、現在のような風習のきっかけになったと伝わっています。
上新粉を原料にしたお団子の色は先から『ピンク』・『白』・『緑』の3色が一般的です。

その理由は諸説あります。
その中で私が好きなのは、桜にちなんだ説。
桜の蕾をピンク色で表現して、桜の花を白色で表現。
そして、花が散った後の葉を緑色で表現しているという説です。
真偽は定かではありませんが、桜の時期に食べるのですから、桜のことを想いながら食べたいものです。
そして、京菓子らしい餡で作られたお団子も一度は召し上がっていただきたいお菓子です。
お花見のお供にいかがでしょうか。


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2017年3月28日

菓銘『駒止の桜』
長久堂
京都市北区上賀茂畔勝町97-3
(075)712-4405
(ご購入の際はお問い合わせください。)


京の春を伝える風物詩『北野をどり』がはじまり、いよいよ京都市内は本格的な春の到来となりました。
ソメイヨシノも花開き、今週末は百花繚乱の京都市内となりそうです。
京都の和菓子屋の店頭には日を追うごとに桜にちなんだ華やかな彩り豊かなお菓子が並びます。
京都の和菓子屋は、京都に関わるお菓子だけを作っているように思われている方も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、京都のみならず百人一首や万葉集など様々なものから職人さんたちの心に響いたものを題材に
して作られています。
もちろん、京都にちなんだお菓子が多いのは言うまでもありません。
今回は、京都から離れて富士宮市で花咲く桜にちなんだお菓子です。

最古の山桜として、国の天然記念物にも指定されている日本五大桜の一つ『狩宿の下馬桜』。
1193年に源頼朝公が富士の巻狩りを行った際に、この桜の前で下馬し、馬を繋ぎ止めたと伝えられています。
そこから『駒止の桜』とも言われています。
また、江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜公もこの桜に魅せられて
『あはれその 駒のみならず 見るひとの 心をつなぐ 山桜かな』と詠んだと伝わります。

桜の色合いに鮮やかに映えるように、手綱を青色にして作られたお菓子。
古来から多くの人々を魅了してきた桜の気品と美しさをお菓子で表現したそうです。
中には桜餡が包まれており、味覚からも桜を感じることができます。




profile

小倉 夢桜−Yume− (おぐら ゆめ)

京都在住。
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファーとして、四季折々の京都を発信。
手のひらにのせた和菓子から小さな幸せを感じ、『手のひらの幸せ』をより多くの方に伝えたい!
その想いから2012年より、自身が立ち上げた【きょうの『和菓子の玉手箱』】。
こちらでは京都の素敵な和菓子たちの世界を毎日お届けしている。
立ち上げて以来、自身が食べた和菓子の数は数千個に及ぶ。
数々の和菓子を見て、食べて感じた経験を活かして、テレビ番組製作の監修をはじめ、執筆活動や講演など
京都の和菓子をより多くの方に身近に感じていただく活動を行っている。
現在は月刊京都(白川書院)で【月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』】を連載中。


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