本文へスキップ

京都和菓子歳時記−2017年1月−・きょうの『和菓子の玉手箱』

和菓子歳時記ー2019年1月ー

和菓子ライフデザイナー小倉夢桜−Yume−が
ご紹介する京都の素敵な和菓子の世界。
新たな京都を感じてみませんか。

ギャラリー

イメージ01

2019年1月2日

菓銘『元朝』
長久堂
京都市北区上賀茂畔勝町97-3
(075)712-4405
(ご購入の際はお問い合わせください)


あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

2019年の幕開けです。
京都市内の旧家などには『根引き松』が飾られ、京都の新年らしい風景を見ることができます。
平成最後のお正月ということで例年になく、感慨深く迎えた新年です。
みなさんはどのような想いで新年を迎えられたことでしょうか。
今回は賀正菓子をご紹介させていただきます。

賀正菓子とは文字通りに初春を寿ぐ華やかな、おめでたい意匠のお菓子たちのことです。
今回のお菓子の銘である『元朝』とは、元日の朝のことを意味します。
すなわち元旦のことです。

この元旦の『旦』の字は、地平線より太陽が昇る様子を表現した漢字であるとされています。
初日の出と共に年神様が現れるとされている一年で最も大切な瞬間を銘にしたお菓子です。
おめでたいお菓子で縁起を担いで一年のはじまりを過ごしてみてはいかがでしょうか。
2019年が皆様にとって佳き年となりますように心より祈っております。



イメージ01

2019年1月9日

菓銘『えびす焼』
鍵甚良房
京都市東山区大和大路通四条下ル小松町140
(075)561-4180


年が明けて人日の節句を終えて、今年も賑やかに『十日ゑびす大祭(初ゑびす)』がはじまりました。
例年、京都ゑびす神社には、昼夜を問わず商売繁盛を祈願する参拝者で賑わいます。
明日(1月10日)と明後日(1月11日)は東映の女優さんや祇園町と宮川町の舞妓さんによる福笹の授与が行われます。
京都ならではの華やいだ雰囲気は新年にふさわしく、幸せな気分となります。

今では、十日ゑびす大祭に欠かすことができない福笹。
この福笹は、江戸時代に京都ゑびす神社がはじめたものが全国に広まったものです。
笹は弾力があって折れにくく、節目正しく、葉は常に青々としており、真っ直ぐと伸びて成長し続けます。
このようなことが縁起物として人々に受け入れられて広まっていきました。

今回は、京都ゑびす神社からほど近くで営む和菓子店が販売するえびす様にちなんだお菓子をご紹介させて
いただきます。
京都ゑびす神社前に立ち並ぶ露店の数々。
その中に混じって、店頭でこちらのお菓子を実演販売されています。
十日ゑびす大祭に足を運ばれた方の多くは目にされているのではないでしょうか。

例年、多くの方が買い求めるこちらのお菓子は、飾らない素朴な雰囲気が特徴的で老若男女を問わず
親しみやすいお味です。
1月11日までの販売となっております。
売り切れ次第終了となりますのでご注意ください。(例年、昼過ぎには売り切れとなるそうです。)
えびす焼を食べて縁起を担いでみてはいかがでしょうか。



イメージ01

2019年1月16日

菓銘『春の光』
游月
京都市左京区山端壱町田町8-31
(075)711-1110


1月も半月が経ちました。
暦の上では、小寒から大寒へと移り変わっていく時期。
一年で最も寒さが厳しくなる頃です。
この1月の中旬に恒例の『歌会始(うたかいはじめ)の儀』が皇居・宮殿で開かれます。
今年の開催日は、本日(1月16日)です。

ひとつの共通のお題で歌を詠み、披講する会のことを歌会といいます。
天皇陛下が年の始めの歌会として執り行われる歌御会(うたごかい)が『歌会始』です。
今年(平成三十一年)のお題は、『光』。

京都の和菓子店では、そのお題に合わせて毎年お菓子を作ります。
そのお菓子のことを『勅題菓(ちょくだいか)』または『お題菓子』と呼ぶ祝い菓子です。
新年ならではのこの勅題菓は、明治以降の慣例として今日まで続いてきているものです。
毎年変わる様々なお題に合わせて『意匠』と『菓銘』を考えなくてはならないため、職人さんの豊富な教養と感性が問われます。

今回は、その勅題菓をご紹介させていただきます。
花のいろどり、緑湧き立つ春の風光を表現した外郎製のお菓子です。
お菓子から春の香りを感じてみてはいかがでしょうか。


イメージ01

2019年1月23日

菓銘『ろう梅』
茶菓 えん寿
京都市右京区太秦多藪町14-93
(075)432-7564


大寒となり冬の厳しさを感じる日々となってきました。
二条川東にある大蓮寺。
夏には境内にところ狭しと置かれている鉢植えの蓮が花開き極楽のような光景を楽しむことができるお寺です。
これからの時期は、ご本堂前に植えられているロウバイが参拝者を楽しませてくれます。

そのロウバイの蕾がほころびはじめてきました。
ロウバイの特徴は、何と言っても黄色の花弁がロウのようであることと、花弁からする甘い高貴な香しい匂いでは
ないでしょうか。
ロウバイを見たことはあるけど匂いを嗅いだことがない方は、花弁に花を近づけてみてください。
きっと、その香しい匂いに驚かれることだと思います。

今回はそのロウバイをモチーフにしたお菓子のご紹介です。
彩りの少ないこの時期の貴重な彩りの一つであるロウバイ。
しかしながら意外にも、ロウバイをモチーフにしたお菓子を、梅や山茶花のようにどこの和菓子屋でも見かける
ようなことはありません。
その理由は、はっきりとわかりませんが、ロウバイをこの時期の楽しみにしている者としては、とても残念です。
こちらのお菓子を目にした時は、探し物をようやく見つけたような幸せな気分になりました。

お店の近くには、ロウバイが一本植えられているそうです。
そのロウバイの可愛らしい様子をお菓子にされたのがこちらのお菓子です。
ロウバイの何とも言えない可愛らしい雰囲気が外郎で表現されています。
ちなみに蝋梅(ろうばい)は名前から梅の一種と思われがちですが、梅はバラ科サクラ属ですが、蝋梅はロウバイ科
ロウバイ属で全く異なります。
冬のやわらかい日差しを浴びて光り輝くロウバイの美しさをお菓子と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。


イメージ01

2019年1月30日

菓銘『厄払い』
京都鶴屋
京都市中京区壬生梛ノ宮町24
(075)841-0751


早いもので1月も終わりが近づいてきました。
寒い日々が続いていますが大寒もあとわずか。
今週末は節分。
そして、翌日は二十四節気『立春』となります。

立秋から下がりはじめた平均気温が、立春を迎えるとともに上昇へと転じはじめます。
体感として春を感じるような温かさになるのはまだ先ですが、立春を過ぎると動植物は気温の変化を敏感に
感じ取り春の兆しを私たちに知らせてくれます。
その立春の前日が『節分』。
文字通りに季節の分かれ目であるその日は、邪気が入りやすいと考えられており、その邪気払いの一つとして
豆まきが行われます。

京都では、表鬼門にあたる『吉田神社』、そして、裏鬼門にあたる『壬生寺』が特に有名で多くの参拝者が
訪れます。
今回は、壬生寺の隣で営むお店の節分にちなんだお菓子をご紹介させていただきます。
壬生寺と縁が深いこちらのお店のご主人は、幼稚園児の頃より壬生狂言と関わり、この時期に壬生寺で
上演される『節分』という演目にご出演されています。
その『節分』の中で演じられる、升に入った豆で赤鬼を追い払う一場面。
馴染みのあるこの一場面で観客は、一足早く春の訪れを感じます。
この演目を見ないと節分の気分にならないと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その升をモチーフにしたお菓子です。
大豆を用いて作られた『きな粉餡』。
その餡を餅皮で包んで升の形に仕上げたお菓子は、無駄を一切省いた伝統を感じる意匠です。
きっと、厄もどこかへ去って行くことでしょう。
口の中いっぱいに広がる大豆の香りに、親しみと懐かしさを感じます。
壬生寺でお参りをした後、こちらのお菓子で日々の厄を払って素敵な日々を過ごされてみてはいかがでしょうか。



profile

小倉 夢桜−Yume− (おぐら ゆめ)

京都在住。
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファーとして、四季折々の京都を発信。
手のひらにのせた和菓子から小さな幸せを感じ、『手のひらの幸せ』をより多くの方に伝えたい!
その想いから2012年より、自身が立ち上げた【きょうの『和菓子の玉手箱』】。
こちらでは京都の素敵な和菓子たちの世界を毎日お届けしている。
立ち上げて以来、自身が食べた和菓子の数は数千個に及ぶ。
数々の和菓子を見て、食べて感じた経験を活かして、テレビ番組製作の監修をはじめ、執筆活動や講演など
京都の和菓子をより多くの方に身近に感じていただく活動を行っている。
現在は月刊京都(白川書院)で【月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』】を連載中。


お仕事・取材のお問い合わせ

〒600-8411
京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620 COCON烏丸4F
京都Loversフォーラム
e-mail kyoto.lovers.forum@gmail.com