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京都和菓子歳時記−2017年1月−・きょうの『和菓子の玉手箱』

和菓子歳時記ー2019年2月ー

和菓子ライフデザイナー小倉夢桜−Yume−が
ご紹介する京都の素敵な和菓子の世界。
新たな京都を感じてみませんか。

ギャラリー

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2019年2月6日

菓銘『下萌』
千本玉壽軒
京都市上京区千本通今出川上ル
(075)461-0796
(ご購入の際はお問い合わせください。)


節分を終えて、暦の上では『立春』。
まだ寒い日が続いていますが、一足早く小さな春を探しに出かけてみませんか。

京都市内を散策しているとあぜ道でフキノトウが芽吹いている様子を見かけるようになってきました。
これからは、ツクシやゼンマイも芽吹き、本格的な春の訪れが近づいてきたことを知らせてくれることでしょう。
今回は、冬から春へ、季節の移ろいを表現したお菓子のご紹介です。

立春を迎えたこの時期、和菓子屋では『下萌え』と名づけられたお菓子を見かけます。
やわらかな春の日差しを浴びた雪解けの大地。
厳しい冬を耐え、新しい命が芽吹いた情景を表現したお菓子です。
多忙な毎日を過ごしていると気づくことができない小さな春の訪れ。
よもぎあんを外郎で包んだお菓子が私たちに春の兆しを知らせてくれます。



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2019年2月13日

菓銘『椿餅』
老松(北野店)
京都市上京区北野上七軒
(075)463-3050
(ご購入の際はお問い合わせください。)


春の訪れを感じる暖かい日になったかと思えば、真冬の寒さとなり、とても寒暖差の激しい近ごろの天候。
いかがお過ごしでしょうか。
体調にはくれぐれもお気をつけください。
この寒暖差が、どのような影響を植物たちに与えているのかが気になるところです。

先日の春本番を思わせるような暖かい気候で、一条戻橋のたもとに植えられている河津桜の蕾が一段と
膨らみました。
日に日に膨らんでゆく桜の蕾に心を躍らせています。

この時期、私がみなさんにぜひ知っていただきたい『椿餅』というお菓子があります。
茶道をたしなむ方、日頃より和菓子にご興味をお持ちの方にとっては、とても馴染みのあるお菓子です。
年に数回しか和菓子を食べないという方には、あまり馴染みのあるお菓子ではないかもしれません。

餡を道明寺で包んで椿の葉を挟んだだけのとても素朴な意匠のお菓子ですが、とても歴史の古いお菓子です。
その歴史は平安時代まで遡り源氏物語『第34帖・若菜上』の中で、
『椿い餅、梨、柑子やうのものども、様々に筥の蓋どもにとりまぜつつあるを、若きひとびと、そぼれとり食ふ』
と若い人々が蹴鞠のあとの宴で食べる場面が登場します。
『椿餅』は日本最古の餅菓子と伝えられています。

椿は、文字通り古くから『春』を代表する木。
また、その椿の名の由来は、『厚葉木(あつばき)』または『艶葉木(つやばき)』からきたとされています。
艶やかな肉厚の葉が特徴的な椿。
椿餅は葉を食べるのではなく、葉を愛でるお菓子です。
椿餅から春を感じてみてはいかがでしょうか。



profile

小倉 夢桜−Yume− (おぐら ゆめ)

京都在住。
和菓子ライフデザイナー/ライター/フォトグラファーとして、四季折々の京都を発信。
手のひらにのせた和菓子から小さな幸せを感じ、『手のひらの幸せ』をより多くの方に伝えたい!
その想いから2012年より、自身が立ち上げた【きょうの『和菓子の玉手箱』】。
こちらでは京都の素敵な和菓子たちの世界を毎日お届けしている。
立ち上げて以来、自身が食べた和菓子の数は数千個に及ぶ。
数々の和菓子を見て、食べて感じた経験を活かして、テレビ番組製作の監修をはじめ、執筆活動や講演など
京都の和菓子をより多くの方に身近に感じていただく活動を行っている。
現在は月刊京都(白川書院)で【月刊京都版・きょうの『和菓子の玉手箱』】を連載中。


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