月刊京都連載 和菓子歳時記
2019
612

沙羅の花

二十四節気では『芒種(ぼうしゅ)』となり、本格的な雨の季節です。
雨が京都の町並みを風情あるものに変えてくれます。
特別な場所に出かけなくても、雨音を聴きながら濡れた紫陽花を眺めているだけで心が癒されるこの時期。
でも、やっぱりどこかにお出かけしたいという方は、沙羅双樹(ナツツバキ)を見に行ってみてはいかがでしょうか。
沙羅双樹は、インド等の熱帯に育つ樹木です。
日本では自生することができない為に、ナツツバキを沙羅双樹に見立てています。

妙心寺の塔頭寺院の一つである東林院では、今週末(6月15日)より毎年恒例の『沙羅の花を愛でる会』が始まります。
朝に咲いて夕方に落花する一日花の沙羅双樹。
その儚さから無常を感じて、自身の人生ついて思いを巡らせるきっかけを与えてくれます。
雨露に濡れた苔の上に落ちた白い花を眺めながら思いにふけてみてはいかがでしょうか。

今回は、沙羅双樹にちなんだお菓子をご紹介させていただきます。
沙羅の花を模った、こなし製のお菓子です。
京都では、東林院の他、法金剛院、鹿王院、真如堂などで見かけることができる沙羅双樹です。
この時期ならではの花ですが、和菓子として意匠化されることは少なく、あまり見かけることがありません。
今回のお菓子は、通常販売されているわけではなく、特別に作っていただいたものです。
沙羅双樹のお菓子を手のひらで愛でながら、自身の人生ついて思いを巡らせるひと時もいいものです。
菓銘沙羅の花
店名亀屋重久
住所京都市右京区谷口梅津間町
電話(075)461-7365

きょうの和菓子の玉手箱きょうの和菓子の玉手箱

きょうのお菓子

月刊京都連載
和菓子歳時記

スマートフォン、タブレットを縦にしてご覧ください。