月刊京都連載 和菓子歳時記
2019
102

豊穣

秋の深まりを感じるようになってきた京都市内です。
神無月となり、今年もはじまった北野天満宮の『ずいき祭』。
五穀豊穣を喜び感謝するお祭りです。
芋の茎のことを意味する『芋茎(ずいき)』。
その芋茎で屋根を葺き、野菜で飾り付けた珍しい神輿『ずいき神輿』が10月1日から西ノ京の御旅所に飾られています。
そして、4日の午後からは御旅所を出発して西ノ京界隈を巡行する還幸祭が執り行われます。
その珍しいずいき神輿をじっくりと観賞したいという方は、西ノ京の御旅所に飾られている時がオススメです。

今回は、五穀豊穣にちなんだお菓子をご紹介させていただきます。
五穀豊穣の五穀とは、『米・豆・麦・粟(あわ)・黍(きび)』です。
和菓子の原材料として欠かせないものです。
黄金色に輝き稲穂が垂れた実りの秋。
こなし製の鳴子を模ったものに型押しされた稲穂。
大地の恵みに感謝していただきたいお菓子です。
菓銘豊穣
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2019
109

初雁

七十二候では鴻雁来(こうがんきたる)となりました。
雁が遥々、北の国より日本へ渡ってくる時期です。
今回は、その雁にちなんだお菓子をご紹介させていただきます。
秋の代表的なお菓子の一つとして雁にちなんだものがあります。
そのお菓子の意匠は、お店によって様々です。
こちらのお菓子は鮮やかな色使いで大空を表現しています。
動きの違う二羽の雁。
まるで今にも動きそうな雁たちです。
菓銘初雁
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2019
1016

光琳菊

先日の10月14日より七十二候では『菊花開(きくのはなひらく)』となりました。
様々なところで献菊展が行われる時期です。
丹精込めて育てられた豪華な菊の花たちが、訪れる人々を魅了することでしょう。

今回は、菊にちなんだ意匠のお菓子をご紹介させていただきます。
秋めいたこの時期に欠かせないのがこちらの意匠のお菓子。
光琳菊と呼ばれる京菓子は、琳派を代表する絵師、尾形光琳によって創り出された菊の文様『光琳菊』をモチーフにしたお菓子です。
薯蕷饅頭の中ほどをくぼませて菊の花に見立てています。
この時期に一度は召し上がっていただきたい伝統的な京都のお菓子です。
菓銘光琳菊
店名亀屋良長
住所京都市下京区四条通油小路西入柏屋町17-19
電話(075)221-2005
2019
1023

パンプキン

ハロウィンが近づいてきました。
ひと足早く色づきはじめたハナミズキと共にハロウィンをディスプレイしたオレンジ色が京都の街を彩ります。

日本国内では、近年、若者たちが思い思いの仮装で街を歩き盛り上がりをみせています。
海外では子供達が自分の好きな格好に仮装して、お菓子を入れるための袋やカゴを手に家々を回るのが昔からの習わしです。
その際に子供達が家々で言う言葉が、
“トリック・オア・トリート!(Trick or Treat!) ”
『お菓子をくれなきゃイタズラするよ!』と言って回ります。
去年、京都市内でも幼稚園児たちが仮装をして袋を手にして列になり、先生と共にお店や家々を回る様子を見かけました。
なんとも言えない可愛らしい光景でした。

今回は、ハロウィンにちなんだお菓子をご紹介させていただきます。
カボチャの中身をくりぬいて作る『ジャック・オー・ランタン』はハロウィンには欠かせないものの一つです。
ハロウィンの日にあの世からやってきた悪霊たちをよせつけない効果があるとされているハロウィンの象徴です。
そのジャック・オー・ランタンを模った外郎製のお菓子です。
菓銘パンプキン
店名二條若狭屋
住所京都市中京区二条通小川東入る西大黒町333-2
電話(075)231-0616
2019
1030

亥の子餅

早いもので10月も残すところわずかとなってきました。
そろそろ和菓子屋の店頭には、亥の子餅が並びはじめる頃です。
日中は暖かくても亥の子餅を目にすると、いよいよ冬支度をしなければという気分が芽生えてきます。
平安時代の宮中では、その年にとれた穀物で作られた亥の子餅を食べて無病息災を祈る『御玄猪(おげんちょ)』と呼ばれる年中行事が行われていました。
玄猪の儀は民間にも広まり、旧暦十月亥の日、亥の刻に亥の子餅を食べて冬の無病息災を祈ります。
また、猪は多産なところから、子孫繁栄を願ったともいわれています。

今回は冬の訪れを知らせてくれる亥の子餅をご紹介させていただきます。
習わしのお菓子は、一般的なものになるようにできる限り特徴を出さないように心がけて作っているという、こちらのお店の亥の子餅。
こしあんを求肥で包んだとても簡素なお菓子です。
亥の子餅を囲んで一家団欒はいかがでしょうか。
菓銘亥の子餅
店名芳治軒
住所京都市山科区椥辻中在家町9-1
電話(075)594-5523
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