月刊京都連載 和菓子歳時記
2019
73

星祭り

文月となり、四条烏丸界隈では祗園囃子をいたるところで耳にするようになってきました。
いよいよ、夏本番の京都です。

次の日曜日は五節句の一つ『七夕(しちせき)の節句(笹の節句)』です。
6日の夜に短冊に願い事を書き、笹に飾ります。
その七夕飾りを海や川へ流す『七夕流し』を7日に行い神様に持ち去ってもらいます。
この七夕の風習は、日本の行事と中国の乞巧奠(きこうでん)、星祭りが合わさったものです。
日本では、古来より穢(けがれ)を水に流す禊(みそぎ)の行事が盛んに行われてきました。

中国の乞巧奠とは、女子が機(はた)織りや裁縫が上達するように祈願する行事です。
また星祭りは、牽牛星と織女星が年に一度、天の川をはさんで出会うという伝説です。
牽牛星は日本で言う、彦星のことです。
幼い頃に聞かされた織姫と彦星との物語。
子供ながらに切なくなったことを思い出します。

今回は、七夕にちなんだお菓子をご紹介させていただきます。
つくね芋で作られた『きんとん』に、そよぐ風に揺れた短冊があしらわれたお菓子です。
夏の夜空に想いを馳せて召し上がってみてはいかがでしょうか。
菓銘星祭り
店名游月
住所京都市左京区山端壱町田町8-31
電話(075)711-1110
2019
710

神輿洗い

二十四節気では小暑となり、いよいよ本格的な暑さに向かっていく頃です。
例年であれば、祇園祭宵山あたりに激しい雷雨があり、その後梅雨明けを迎えますが今年は少し違うようです。
予報では、祇園祭山鉾巡行(後祭)の頃に梅雨明けみたいです。
梅雨空の下、例年とは違う祇園祭の風景を見ることができるかもしれません。
本日(7月10日)より、前祭の山鉾建てが始まります。
そして、お迎え提灯 、神輿洗式(あらいしき)と神事が行われます。
松明に照らしながら四条大橋まで担がれた3基の神輿のうちの1基、素戔嗚尊(すさのおのみこと)をまつる中御座。
橋の上で鴨川の水を榊(さかき)に含ませて神輿に水をかけて清める『神輿洗式(あらいしき)』です。

今回は、祇園祭の神輿洗式にちなんだ意匠のお菓子をご紹介させていただきます。
この時期、祇園祭の意匠が数多く店頭に並びます。
しかしながら、神輿洗式を題材にした意匠のお菓子は、大変珍しく、私が知るところではこちらのお菓子だけです。
道明寺羹と小倉羹で構成された涼しげな意匠。
暑いこの時期にぴったりのお菓子です。
神聖なる鴨川の水を感じてみてください。
菓銘神輿洗い
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2019
717

祇園祭

街路樹の蝉が鳴き始め、いよいよ本格的な夏の到来を感じる京都市内です。
ニュースでは、冷夏が話題となっていますが、京都市内も例年になく過ごしやすい日々が続いています。
特に昨年が猛暑だっただけに余計にそう感じるのかもしれませんね。

四条烏丸界隈は、祇園祭の真っ最中。
多くの見物客で賑わいを見せています。
近年、烏丸界隈はがらっと街の様子が変わりました。
街の様子が変わりゆく中でも、動じることなく勇壮な姿で建つ鉾。
当たり前のように、この季節がやってくれば祇園囃子が鳴り響き、鉾が建ち並ぶ、とつい思ってしまう私たち。
鉾を見ながら、貴重な文化財を見ることができていることに改めて感謝の気持ちが溢れます。

今回は祇園祭にちなんだ意匠のお菓子をご紹介させていただきます。
夏空の下、鉾が動いている様子を表現したお菓子です。
夏空を表現した水色、鉾の懸想品を表現した赤色と黄色。
賑わっている雰囲気を感じてもらえるようにとパステル調にしているそうです。
菓銘祇園祭
店名二條若狭屋
住所京都市中京区二条通小川東入る西大黒町333-2
電話(075)231-0616
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