月刊京都連載 和菓子歳時記
2020
25

椿餅

如月となり、梅と共に椿の花が所々で咲いている様子を見かけるようになってきました。
文字通り古くから『春』を代表する木である椿。
本日は、その椿の葉を使用したお菓子をご紹介させていただきます。
この時期、見かける『椿餅』。
室町時代初期の源氏物語の注釈書である『河海抄』には、椿餅のことをもちの粉にあまづらをかけて椿の葉に包むと書かれています。
現在の道明寺粉に当たるものを戻し餅にして、砂糖の代わりにツタの汁を煮詰めた『あまづら』を含ませた餅菓子であることがわかります。
現在、京都の和菓子屋では、こし餡を道明寺で包んで椿の葉を二枚使用して挟んだ椿餅が一般的に販売されています。
こちらのお店の椿餅は、その意匠とは少し異なります。
道明寺ではなく、羽二重餅でこし餡を包み、寒天でコーテイングしたものを椿の葉で挟んでいます。
非常に口溶けが良いのが特徴のお菓子です。
日頃、食べ慣れている椿餅と違う食感を求められている方はいかがでしょうか。
菓銘椿餅
店名鍵甚良房
住所京都市東山区大和大路通四条下ル小松町140
電話(075)561-4180
2020
212

幸せの時間

2月に入って連日のように報道されている新型コロナウィルス関連のニュース。
京都でも感染された方がいると厚生労働省から発表されましたが、これ以上の感染者が出ないことを願っております。
物や情報が溢れる今の時代において、本来は幸せだと思わなければならないことを当たり前に感じている私たち。
今一度、あらゆるものに感謝をして生きていくことの大切さを痛感しています。
今回は、このような時だからこそというお菓子をご紹介させていただきます。
『幸福』を花言葉にもつクローバーを添えたお菓子です。
みなさんにとっての『幸せの時間』はどのような時でしょうか。
菓銘幸せの時間
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2020
219

初音

冬の寒さが和らぎ、春を思わせるような暖かい一日になったかと思えば、また冬の寒さ。
寒暖差が激しく、体調管理が大変な日々が続いている京都市内です。
この寒暖差は、私たちだけでなく、動植物たちにとっても大変なのかもしれませんね。
今回は、春を告げる鳥にちなんだお菓子をご紹介させていただきます。
これからの時季、音程を外した愛嬌のある鳴き声でウグイスが私たちを癒してくれます。
ウグイスは、春告鳥(はるつげどり)と呼ばれ、その年の最初に聞く鳴き声を『初音』といい春の訪れを知らせてくれます。
これから少しず上達して、春本番には美しい鳴き声で私たちを魅了してくれます。
春を思わせるピンクのこし餡を包んだ、ふ焼き製のお菓子です。
こちらのお菓子から春を感じてみてはいかがでしょうか。
菓銘初音
店名京都鶴屋 鶴壽庵
住所京都市中京区壬生梛ノ宮町24
電話(075)841-0751
2020
226

貝合わせ

2月も残すところわずかとなりました。
来週は、五節句のひとつ『上巳の節句』を迎えます。
昔は、春の訪れを祝い、無病息災を願う厄払いの行事でした。
現在では、桃の節句として親しまれ、ひな祭りとして女の子の成長を祝う行事となっています。
今回は、節句にちなんだお菓子をご紹介させていただきます。
ひな祭りの代表的な食べ物である蛤(はまぐり)。
蛤の貝殻は、一対になっている貝殻でないとぴったりと合うことがない二枚貝です。
このことからやがて結婚する女性の幸せを願い、ひな祭りでも用いられるようになりました。
蛤を模った薯蕷製のお菓子です。
菓銘貝合わせ
店名伏見駿河屋
住所京都市伏見区下油掛街174番地
電話(075)611-0020
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