本日のお菓子
2020
81

もらい水

本日より葉月。
夏から秋に少しづつ移ろいを感じることができる月です。
早朝に京都市内を歩いていると玄関先で朝顔の花に出会うことができる時季です。
2017年に出会ったこちらの和菓子は、ぜひ菓銘に注目していただければ。
江戸時代で最も有名な女性俳人だった加賀千代女。
加賀千代女が詠んだ俳句の中に『朝顔やつるべとられてもらい水』という有名な俳句があります。
【朝起きて井戸に水を汲みに来てみると、朝顔のつるがつるべに巻きついていて水が汲めません。
切ってしまうのがかわいそうなので、近所に水をもらいに行きました。】という内容の俳句です。
朝顔をモチーフにした和菓子に俳句から引用して『もらい水』と名付けられています。
朝顔を想う優しい気持ちを感じずにはいられない和菓子です。
菓銘もらい水
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2020
82

朝露

秋の代表的な季語である朝顔。
朝顔にちなんだ和菓子が店頭を彩ります。
朝陽を浴びて少しずつほころぶ蕾。
これから咲きはじめようとする朝顔のつぼみを外郎で表現しています。
ゆっくりと流れる明け方をお菓子から感じることができます。
素敵な一日をお過ごしください。
菓銘朝露
店名長生堂
住所京都市左京区下鴨上川原町22-1
電話(075)712-0677
2020
83

涼風

夏に欠かせない扇子。
私が愛用している扇子は、仰ぐたびにやわらかな風とともに白檀のほのかな香りが身体を癒してくれます。
2016年に出会ったこちらの和菓子は、扇子をモチーフにした琥珀羹製。
夏の定番である琥珀羹に大徳寺納豆が入ったお菓子です。
菓銘涼風
店名嘯月
住所京都府京都市北区紫野上柳町6
電話(075)491-2464
2020
84

芙蓉

芙蓉の花が京都を彩ります。
堀川寺之内にある妙蓮寺。
境内には数多くの芙蓉が植えられています。
例年、芙蓉の寺としてこの時期から9月下旬あたりまで楽しむことができます。
その中でも有名なのが、朝に白色の花を咲かせて夕方に近づくにつれてだんだんと赤くなる『酔芙蓉』。
(その酔芙蓉の見頃はまだ先となりそうです。)
花の色が酔ったように変化することからその名が付けられたそうです。
2018年に出会ったこちらの和菓子。
きんとんで鮮やかな色の芙蓉を表現しています。
菓銘芙蓉
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2020
85

清流

梅雨明けとともに一気に夏らしいお天気が続いている京都市内です。
この暑さについ水辺が恋しくなります。
2018年に出会った和菓子。
清滝の清流を泳ぐ鮎を外郎生地に焼きごてで表現した京菓子らしい抽象的な意匠です。
菓銘清流
店名船屋秋月
住所京都市右京区宇多野福王子町13-3
電話(075)463-2624
2020
86

花火大会

8月に入ってから夏本番を感じるような暑い日々が続いている京都市内です。
例年であれば各地で花火大会が盛んに行われている時期です。
2016年に出会ったこちらの和菓子。
白こしあんを錦玉羹で包み、表面にはピンクと黄色に染めた煎粉(いらこ)をあしらって花火を表現しています。
菓銘花火大会
店名亀屋光洋
住所京都市左京区一乗寺払殿町17-12
電話(075)711-3764
2020
87

河原撫子

本日から二十四節気では立秋です。
暦の上では秋。
実際には、この頃が最も暑さが極まる頃です。
2017年に出会ったこちらの和菓子。
秋の七草である撫子をモチーフにした外郎製です。
菓銘河原撫子
店名茶寮 宝泉
住所京都市左京区下鴨西高木町25
電話(075)712-1270
2020
88

水あそび

連日暑い日々が続く京都市内です。
市内を流れる鴨川上流の鴨川デルタあたりで水遊びをする人々や飛び石を渡って楽しんでいる人々の姿を見かけます。
2015年に出会ったこちらの和菓子。
見た目にも可愛らしいレモン味の琥珀羹のお菓子です。
菓銘水あそび
店名亀屋良長
住所京都市下京区四条通油小路西入柏屋町17-19
電話(075)221-2005
2020
89

河原撫子

花弁の先が細かい糸状のピンク色の撫子。
その可憐な花の様子はたおやかにと称されます。
2017年に出会ったこちらの和菓子。
撫子の可憐な雰囲気を表現した外郎製のお菓子です。
菓銘河原撫子
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2020
810

石竹

2018年に出会ったこちらの和菓子。
セキチクをモチーフにした、暑いこの時期にふさわしく涼し気なみじん羹製のお菓子です。
セキチクは葉が笹に似ていることからこの名がついたといわれています。
菓銘石竹
店名二條若狭屋
住所京都市中京区二条通小川東入る西大黒町333-2
電話(075)231-0616
2020
811

西瓜

うだるような暑さの中、蝉の鳴き声も一段と高まる8月。
喉が渇いて、つい冷たいものばかりを飲んで体調を崩してしまう時期です。
こういう時にこそ、旬の食材を食べてみてはいかがでしょうか。
西瓜は90%が水分であるため水分補給にはうってつけの野菜です。
その水分には、リコピンやカリウムなど様々な栄養素が含まれていて、この時期は夏バテや熱中症の予防として摂取するといいそうです。
2019年に出会ったこちらの和菓子は西瓜をモチーフにしたもの。
今年も販売されています。
小豆を種に見立てた、羊羹と琥珀羹製の和菓子です。
菓銘西瓜
店名とらや(京都一条店)
住所京都市上京区烏丸通一条角
電話(075)441-3111
2020
812

ひさご

秋の季語である『ひさご』。
このユーモラスな形は、下が大きく、末広がりということで縁起の良いものとして昔より親しまれてきました。
2016年に出会ったこちらの和菓子。
瓢箪を模った錦玉羹製のお菓子です。
菓銘ひさご
店名山もと
住所京都市左京区北白川東蔦町24-4
電話(075)707-8080
2020
813

日輪草

暦の上では秋ですが、秋の気配を感じるどころか真夏のような天候が続いています。
暑い日々はいつまで続くのでしょうか。
青空の下、太陽に向かうように姿勢よく咲く向日葵。
日輪草とも呼ばれる、夏を彩る代表的な花です。
2018年に出会ったこちらの和菓子。
向日葵を模った、こなし製です。
菓銘日輪草
店名えん寿
住所京都市右京区太秦多藪町14-93
電話(075)432-7564
2020
814

鬼灯

ご先祖様を身近に感じる『お盆』。
ご先祖様が迷わずに帰って来れるようにと鬼灯(ほおずき)を仏壇や盆棚に飾ります。
2016年に出会ったこちらの和菓子。
鬼灯を模った外郎製です。
菓銘鬼灯
店名日栄軒
住所京都市北区小山初音町61
電話(075)491-2204
2020
815

遠山

京の夏の夜空を彩る風物詩、五山の送り火。
京の人々にとっては、精霊をあの世へ送り届ける大切な宗教行事です。
例年であれば、遠く彼方の漆黒の闇夜に浮かび上がる『大』の文字。
その東山如意ヶ嶽の大文字を皮切りに『妙法』『船形』『左大文字』『鳥居形』が次々に浮かびあがります。
今年は残念ながら規模を縮小して執り行われます。
2015年に特別に作っていただいたこちらの和菓子。
暑い時期に召し上がっていただきやすいように、こし餡を羽二重で包み、その周りに寒天をコーティングしたお菓子です。
菓銘遠山
店名聚洸
住所京都市上京区大宮寺之内上ル
電話(075)431-2800
2020
816

雷の宮

本日8月16日は、送り火が執り行われる日です。
今年は規模を大幅に縮小して例年とは違うお盆の一夜となりそうです。
2018年に出会ったこちらの和菓子。
上賀茂神社と西賀茂船山に灯される送り火『舟形』をモチーフにしたものです。
すべてが貴重な文化財であり、世界遺産にも登録されている『上賀茂神社』。
朱塗りの一ノ鳥居、二ノ鳥居をくぐり国宝の本殿へ。
上賀茂神社の呼び名で親しまれていますが、正式名称は『賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)』。
その正式名称から『雷(いかづち)の宮』と名付けられたお菓子です。
菓銘雷の宮
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2020
817

秋日

送り火でご先祖様との別れを惜しみ、京の夏に別れを告げた昨夜。
しかしながら予報では、しばらくは暑い日が続き、本格的な秋の訪れはしばらく先になりそうです。
とは言え、日が暮れはじめる時間は、一ヶ月前に比べるとかなり早まってきました。
『秋の日は釣瓶落とし』ということわざがあるように秋の夕焼けの様子は刻々と変化をしていきます。
そして、赤とんぼを見かけるようになってきました。
今まで山地で過ごしていたアキアカネが山から下りてきて、平地で過ごす時期です。
秋の季語である『赤とんぼ』はアキアカネだと言われています。
2014年にはじめて出会ったこちらの和菓子。
夕焼けを背景に赤とんぼが飛び交う日本の原風景が目に浮かんできそうなお菓子です。
菓銘秋日
店名二條若狭屋
住所京都市中京区二条通小川東入る西大黒町333-2
電話(075)231-0616
2020
818

深山の雪

暑さがまだまだ続きそうな京都。
2018年に出会ったこちらの和菓子は、その暑さを少しでも和らげていただけそうなものです。
菓銘を見て「えっ、夏なのに雪?」
と疑問に思われる方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
その昔、洛中から遠く離れた山間には残雪があったそうです。
洛中の人々は、その残雪に想いを募らせて、涼を感じて暑い夏を過ごされたことでしょう。
雪と山肌の岩を表現した葛製のお菓子です。
菓銘深山の雪
店名鍵甚良房
住所京都市東山区大和大路通四条下ル小松町140
電話(075)561-4180
2020
819

雲の峯

2017年に出会ったこちらの和菓子。
松尾芭蕉が奥の細で詠んだ
『雲の峯 いくつ崩れて 月の山』という俳句。
雲の峯とは、積乱雲のことです。
夏の青空に沸き立つ積乱雲を外郎で表現したお菓子です。
菓銘雲の峯
店名游月
住所京都市左京区山端壱町田町8-31
電話(075)711-1110
2020
820

打ち水

8月下旬となりましたが、まだまだ暑い日が続いている京都市内です。
京都では、門掃き(かどはき)をした後に打ち水を行います。
京都に暮らす人々が行う、見慣れた地球に優しい暑さ対策です。
2019年に出会ったこちらの和菓子は、その『打ち水』の銘がついたものです。
波打つ涼し気な意匠です。
菓銘打ち水
店名長生堂
住所京都市左京区下鴨上川原町22-1
電話(075)712-0677
2020
821

あかね空

初秋のこの時期は、赤トンボが意匠に盛り込まれる和菓子が店頭に並び始める頃です。
2013年に出会ったこちらの和菓子もその一つです。
刻々と移りゆく秋の夕焼けを背景にして赤とんぼが飛び交う情景をお菓子に写した外郎製のお和菓子です。
菓銘あかね空
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2020
822

晩涼

日が暮れるとともに心地よい風が吹き始めるようになってきました。
耳を澄ませばどこからともなく聴こえてくる虫の音。
知らず知らずのうちに季節は秋へと移り変わろうとしているようです。
2018年に出会ったこちらの和菓子。
晩夏に感じる涼しげな空気を表現した色合い。
喉越しのよい葛製のお菓子が涼をへと誘います。
菓銘晩涼
店名えん寿
住所京都市右京区太秦多藪町14-93
電話(075)432-7564
2020
823

一筋の秋

本日より二十四節気では『処暑』。
厳しい暑さが和らぐ頃です。
2017年に出会ったこちらの和菓子は、処暑を題材にして作っていただいたものです。
秋の季語でもある桔梗の花を外郎で表現しています。
紫色と水色のぼかしで残暑の中にも秋の風を感じて咲く桔梗の情景。
涼しい風が吹き、心地よい虫の声がどこからともなく聴こえてくる時期です。
菓銘一筋の秋
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2020
824

おみなえし

秋の七草の一つである『女郎花(おみなえし)』。
小さな黄色の花が特徴的で、古くから多くの和歌に詠まれてきた花の一つです。
花の名前を知っていても、『女郎花』という漢字を見て『おみなえし』と読める方は意外に少ないかも。
このような漢字になったのは平安時代。
本来は貴族の奥方・令嬢を意味する敬称に『女郎』を用いていたようです。
鮮やかな黄色が印象的な意匠。
みじん羹と羊羹で女郎花を表現した和菓子です。
菓銘おみなえし
店名伏見駿河屋
住所京都市伏見区下油掛街174番地
電話(075)611-0020
2020
825

初萩

9月が近づき、多くの秋を感じるお菓子が店頭に並びます。
その一つが萩をモチーフにしたものです。
秋の七草のひとつである萩。
2014年に初めて出会ったこちらの和菓子。
京都では『かしら道明寺』と呼ばれている六ツ割道明寺が使用されています。
なめらかな口あたりに思わず頬がほころびます。
色染めした道明寺と差し色だけで萩を表現したとても上品な意匠です。
菓銘初萩
店名老松
住所京都市上京区北野上七軒
電話(075)463-3050
2020
826

桔梗

秋の七草の一つである『桔梗』。
京都では6月下旬より咲きはじめて、夏の時期に見頃を迎えます。
そもそもは、秋に山野で咲く花だった桔梗が品種改良の末、今のように夏に見頃を迎えるようになりました。
野生種として生育する桔梗は絶滅危惧種に指定されています。
初秋に和菓子屋の店頭には、桔梗にちなんだお菓子が並びます。
その多くは桔梗の特徴である青紫色で仕上げた意匠ですが、こちらのお店ではご覧のような意匠。
見るからに素朴で美味しそう。
期待を裏切らないお菓子です。
菓銘桔梗
店名伏見駿河屋
住所京都市伏見区下油掛街174番地
電話(075)611-0020
2020
827

とんぼ薯蕷

2015年に出会ったこちらの和菓子。
薯蕷饅頭にトンボの焼印が押されると秋の情景が広がります。
和菓子の素晴らしさと楽しさを感じることができるお菓子です。
菓銘とんぼ薯蕷
店名嵯峨嘉
住所京都市右京区嵯峨広沢御所ノ内町35-15
電話(075)872-5218
2020
828

夏休み

夏休みが終わり、学生たちが和気あいあいと通学路を歩く日頃の様子に戻りました。
今年は、どのような夏休みの思い出を作ったことでしょう。
「例年であれば、田舎のおじいちゃん、おばあちゃんのお家に行くのに今年は行けなかったよ・・・」
なんて残念がっている方もいるかもしれません。
2018年に出会ったこちらの和菓子。
田舎のおじいちゃん、おばあちゃんのお家で、トマトを川で冷やして食べている光景をイメージしたお菓子です。
菓銘夏休み
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2020
829

秋草

にぎやかだった蝉の鳴き声と入れ替わるように秋の虫の音が草陰から聞こえてくるようになってきました。
まだ日中は暑い日が続いていますが、虫たちが秋の訪れを知らせてくれます。
2017年に出会ったこちらの和菓子。
秋の七草、『萩』、『尾花』、『葛』、『撫子』、『女郎花(おみなえし)』、『藤袴』、『桔梗』をきんとんで表現したお菓子です。
菓銘秋草
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2020
830

おとずれ

2018年に出会ったこちらの和菓子。
秋の七草のひとつである桔梗を外郎で模ったお菓子です。
菓銘を『桔梗』にするのではなく、『おとずれ』と名付けることによって情緒ある秋の京都の風景が目に浮かんできます。
菓銘の大切さを感じるお菓子です。
菓銘おとずれ
店名茶寮 宝泉
住所京都市左京区下鴨西高木町25
電話(075)712-1270
2020
831

秋めく

2017年に出会ったこちらの和菓子。
晩夏から晩秋にかけて咲く花『水引』をモチーフにして作られたお菓子です。
『水引』といえば、ご祝儀袋などにかける紅白の水引。
その水引に似ていることからこの名が付けられ、縁起のよい花とされています。
細くまっすぐ伸びた花穂に赤いつぼみをたくさんつけ、上から見ると赤く、下から見ると白い紅白の小さい花が次々と咲いていきます。
自分へのご褒美、そして縁起物のお菓子として身近な人へさりげなく贈ってみたくなるお菓子です。
菓銘秋めく
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
prev前月 次月next

きょうの和菓子の玉手箱きょうの和菓子の玉手箱

きょうのお菓子

月刊京都連載
和菓子歳時記

スマートフォン、タブレットを縦にしてご覧ください。