本日のお菓子
2020
91

万寿菊

長月となりました。
9月は菊月とも呼ばれるほど菊との関わりが深い月です。
和菓子の世界でも菊にちなんだお菓子が店頭に並びます。
古来より親しまれてきた子孫繁栄を象徴する吉祥文様の『鹿の子』。
子鹿の背中の模様のまだら模様に似ていることから、餡玉に小豆や栗をつけた意匠のお菓子のことを『鹿の子』といいます。
菊を模った鹿の子には、とても貴重な白小豆を使用しており、白小豆の独特の風味を愉しむことができます。
菓銘万寿菊
店名塩芳軒
住所京都市上京区黒門通中立売上ル飛騨殿町180
電話(075)441-0803
2020
92

女郎花

2015年に初めて出会ったこちらの和菓子。
秋の七草のひとつであります『女郎花(おみなえし)』。
女郎花を表現した外郎製のお菓子です。
葉を表現した鮮やかな緑、その上には花を控えめに・・・
なんとも爽やかな意匠です。

『秋の野に 咲きたる花を 指(おゆび)折り かき数ふれば 七種の花』(山上憶良/万葉集)

いく年もの歴史を超えて、今なお現存する奇跡に想いを馳せてみたくなります。
菓銘女郎花
店名京都鶴屋 鶴壽庵
住所京都市中京区壬生梛ノ宮町24
電話(075)841-0751
2020
93

待宵草

2018年に出会ったこちらの和菓子。
黄色の四弁の花をつけ夕方開き、翌朝にはしぼむ『待宵草(まつよいぐさ)』をモチーフにしています。
粒あんを焼皮で包んだ、もっちりとした食感お菓子です。
菓銘待宵草
店名鍵甚良房
住所京都市東山区大和大路通四条下ル小松町140
電話(075)561-4180
2020
94

こぼれ萩

2015年に初めて出会ったこちらの和菓子。
まだ暑さが残る、この時期ならではの萩にちなんだ葛製のお菓子です。
菓銘のように、こぼれんばかりに咲く萩の様子が今から楽しみです。
菓銘こぼれ萩
店名長生堂
住所京都市左京区下鴨上川原町22-1
電話(075)712-0677
2020
95

素風

秋に吹く風を『色なき風』や『素風』などと表現されます。
その理由は、中国の陰陽五行説では秋風を白色、無色とされていることからだと言われています。
和菓子の世界では、これからの時季、秋の草花をモチーフにした意匠のお菓子に『色なき風』や『素風』といった銘を名付けてたお菓子を見かけるようになってきます。
目で秋の草花を、肌で爽やかな秋の風を感じるひと時を思い浮かべながらいただきたいお菓子です。
菓銘素風
店名伏見駿河屋
住所京都市伏見区下油掛街174番地
電話(075)611-0020
2020
96

虫の音

まだまだ暑い日が続いていますが、日が暮れる頃より鳴きはじめる虫たちの音色が秋を演出してくれます。
2018年に出会った、こちらの和菓子は外郎で袋を表現したものです。
袋を持ち歩いて秋の虫たちを探す子供たちの笑顔を思い浮かべながら作られたそうです。
職人さんの優しさが溢れ出ているお菓子です。
菓銘虫の音
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2020
97

桔梗

2018年に出会ったこちらの和菓子。
秋の七草の一つ『桔梗』。
紫碧色の可憐な花は、古くより日本の美しさの象徴として人々より愛されてきました。
桔梗の特徴的な花の様子を表現したお菓子です。
菓銘桔梗
店名京都鶴屋 鶴壽庵
住所京都市中京区壬生梛ノ宮町24
電話(075)841-0751
2020
98

秋月夜

ツバメたちと入れ替わるように北方より日本へ渡ってくる雁。
雁は秋の到来を告げる渡り鳥として古くから親しまれてきました。
2017年に出会ったこちらの和菓子。
何とも言えない美しい色合いで月夜に雁が飛んでいる様子を表現したお菓子です。
日本の秋夜を感じてください。
菓銘秋月夜
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2020
99

着せ綿

9月9日に行われる今年最後の節句『重陽の節句』。
古来より、奇数は縁起の良い陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考えられてきました。
特に重んじられていたのが『9』という一番大きな陽数が重なる日『9月9日』。
そこから『重陽の節句』と呼ばれるようになりました。
8日の夜に菊に綿をかぶせ、9日に露で湿ったその綿で体を拭い長寿を祈る『菊の着綿(きくのきせわた)』という習わしがあります。
この習わしは、平安時代・宇多天皇の御代、宮中で重陽の行事として行われていたことが、『紫式部日記』などに書き記されています。
その『菊の着綿』を表現したお菓子です。
菓銘着せ綿
店名塩芳軒
住所京都市上京区黒門通中立売上ル飛騨殿町180
電話(075)441-0803
2020
910

野分

本日9月10日は、雑節の一つである二百二十日。
立春から数えて220日目となります。
二百十日と同様に台風が農作物に被害を与えるこの時期。
その日は厄日として風を鎮める風祭りが各地で行われます。
2015年に出会った蕎麦薯蕷製のこちらの和菓子。
『野分(のわき)』とは、この時期に吹く暴風のこと。
野の草を風が強く吹き分けるというところから『野分』と呼ばれるようになりました。
秋を代表する季語の一つです。
菓銘野分
店名鍵善良房
住所京都市東山区祇園町北側264番地
電話(075)561-1818
2020
911

栗の子

いよいよ秋の味覚『栗』を使ったお菓子が店頭に並び始める頃です。
栗好きにとっては、幸せな2ケ月間です。
近年、国内産の栗の生産量が激減、価格が高騰しています。
今までのように気軽に栗を味わえることができるのもいつまでかと気がかりになります。
今年の生産量は果たして・・・
少しでも回復していればという栗好きの切実な願いです。
こんな状況下で320円(税抜き)というとてもリーズナブルな価格でご提供されているのがこちらのお店。
今年採れた愛媛県産の栗を使用した和菓子です。
蒸した栗を丁寧に裏漉ししたものと砂糖のみで作られています。
言うまでもなく、栗そのものの風味が口いっぱいに広がり、自然と笑みがこぼれます。
例年は10月末頃までの販売となりますが、材料の栗が無くなり次第、販売終了となりますのでお急ぎください。
菓銘栗の子
店名鍵甚良房
住所京都市東山区大和大路通四条下ル小松町140
電話(075)561-4180
2020
912

こぼれ萩

この時期、萩にちなんだお菓子は、多くの和菓子屋で数多く見かける9月を代表する和菓子です。
今の時代、桜のように萩の開花を楽しみにしてお花見に出かける方は少ないかもしれません。
古来より多くの和歌に詠まれてきた萩は、今とは違い親しみある花の一つだったようです。
2018年に出会った萩にちなんだこちらの和菓子。
萩の魅力は何と言っても丸く可愛らしい葉と小さな花。
その様を外郎といら粉で表現しています。
菓銘こぼれ萩
店名日栄軒
住所京都市北区小山初音町61
電話(075)491-2204
2020
913

あかね空

ようやく秋らしい気候へと移り変わってきました。
『秋の日は釣瓶落とし』ということわざがあるように秋の夕焼けの様子は刻々と変化をしていきます。
あかね空となった風景を目にすると心が癒されます。
2016年に出会ったこちらの和菓子。
こなしに秋の夕暮れを表現した、日本らしいお菓子です。
菓銘あかね空
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2020
914

菊日和

朝夕涼しくなり、赤トンボや虫の音に秋をいっそう感じる日々です。
秋と言えばやはりこちらの花ではないでしょうか。
桜と並び、日本の国花として親しまれてきた『菊』。
菊は吉祥文様として好まれ、秋を代表する花です。
菊を使用した言葉も様々。
澄みわたる秋の空が広がるような天候を『菊日和』とも表現します。
爽やかな天候が目に浮かぶような意匠。
驚くほどふわふわの羽二重で餡を包み、菊を模ったお菓子です。
菓銘菊日和
店名塩芳軒
住所京都市上京区黒門通中立売上ル飛騨殿町180
電話(075)441-0803
2020
915

吟遊詩人

日に日に太陽が昇っている時間が短くなり、夜が長くなってきました。
2017年に出会ったこちらの和菓子。
少しさびしい秋の風を感じながら夜を過ごす情景を表現しています。
詩や曲を作り、各地に訪れて歌う吟遊詩人。
これからは、新月から満月へと向かう時期。
空に浮かんだ月を眺めながら歌う人の声に耳を傾け夜長を楽しむのもいいかもしれませんね。
菓銘吟遊詩人
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2020
916

栗かのこ

2016年に初めて出会ったこちらの和菓子。
子鹿の背中の模様のまだら模様に似ていることから、餡玉に小豆や栗をつけた意匠のお菓子のことを『鹿の子』といいます。
また、鹿の子の文様は、子孫繁栄を象徴する吉祥文様として古来より親しまれてきました。
栗そのものの食感と風味を楽しめる、栗好きにはこの上ない幸せなお菓子です。
菓銘栗かのこ
店名聚洸
住所京都市上京区大宮寺之内上ル
電話(075)431-2800
2020
917

初雁

本日9月17日から七十二候では『玄鳥去(つばめさる)』。
暖かくなる春先に日本にやって来たツバメが暖かい南の地域へと帰っていく頃です。
そのツバメたちと入れ替わるように北方より日本へ渡ってくる雁。
秋の到来を告げる渡り鳥として古くから親しまれてきました。
この時期、和菓子の世界では、その雁にちなんだ意匠のお菓子が店頭に並びます。
2018年に出会ったこちらの和菓子。
夕暮れ時に飛ぶ雁を黒胡麻で見立てた粟羊羹製のお菓子です。
菓銘初雁
店名茶寮 宝泉
住所京都市左京区下鴨西高木町25
電話(075)712-1270
2020
918

栗ういろう

2018年に出会ったこちらの和菓子。
外郎の上に敷き詰められた栗のお菓子。
秋を感じながらお菓子を口にしてほっこりとするひと時は幸せそのものです。
菓銘栗ういろう
店名日栄軒
住所京都市北区小山初音町61
電話(075)491-2204
2020
919

萩の宮

本日、9月19日は秋の彼岸入りとなります。
昔ほどではなくなりましたが和菓子屋では『おはぎ』を買い求める方たちで賑わいます。
春のお彼岸には『ぼたもち』、秋のお彼岸には『おはぎ』と呼ばれて親しまれている和菓子です。
その理由は諸説あるようです。
春に咲く牡丹の花に見立てたところから『ぼたもち』。
秋に咲く萩の花に見立てたところから『おはぎ』。
こちらの説が一般的です。
京都で萩の名所として有名な萩の宮・梨木神社。
ようやく咲き始めてきました。
見頃にはもう少し時間がかかりそうです。
2018年に出会ったこちらの和菓子。
萩の様子を表現した、きんとん製です。
菓銘萩の宮
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2020
920

光琳菊

秋を代表するお菓子といえば、やはり光琳菊。
琳派を代表する絵師、尾形光琳によって創り出された菊の文様『光琳菊』をモチーフにしたお菓子です。
薯蕷饅頭の中ほどをくぼませて菊の花とし、葉を織部(暗緑色)で表現します。
無駄を一切省いた『光琳菊』は京菓子を代表する意匠です。
菓銘光琳菊
店名塩芳軒
住所京都市上京区黒門通中立売上ル飛騨殿町180
電話(075)441-0803
2020
921

友白髪

本日9月21日は『敬老の日』。
2015年に初めて出会ったこちらの和菓子。
とても大好きな意匠です。
麻糸を束ねて白髪に見立てた祝い物の『友白髪』。
『夫婦共々に白髪が生えるまで長生きしてほしい』という願いが込められています。
菓銘友白髪
店名京都鶴屋 鶴壽庵
住所京都市中京区壬生梛ノ宮町24
電話(075)841-0751
2020
922

秋灯子

本日9月22日は秋分です。
秋分の日を中心とした一週間が秋のお彼岸となります。
気候もようやく秋らしくなってきました。
広沢池畔にはザクロの木が植えられており、この時期になると赤い実がはじけている様子を見かけることができるようになります。
ザクロは秋の風情に欠かせないものの一つです。
2017年に出会った、ザクロを模ったこちらの和菓子。
赤い実がはじけて美味しそうな種子がのぞく感じを寒天の艶で表現しています。
秋の夜に美しい灯りがともる感じにたとえた【秋灯子(しゅうとうし)】。
この言葉は職人さんがお菓子の為に付けた造語です。
菓銘秋灯子
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2020
923

名月

朝夕の気温が一段と下がり過ごしやすい日々となってきました。
新月から少しずつ満月へとむかう月。
今年の中秋の名月は10月1日です。
2016年に出会ったこちらの和菓子。
葛焼きに表現された夜空に浮かぶ月。
秋の虫の音をBGMにしていただきたいお菓子です。
菓銘名月
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2020
924

夕暮れ

雁が遥々、北の国より日本へ渡ってくる時期。
雁にちなんだものは秋の代表的なお菓子の一つです。
夕暮れを背景に雁が飛んでいる秋の情景を表現した情緒ある蕎麦薯蕷製のお菓子です。
菓銘夕暮れ
店名笹屋春信
住所京都市西京区桂乾町66-1
電話(075)391-4607
2020
925

菊の香

秋が少しずつ深まってきました。
例年であれば、10月には秋の風物詩である『菊花展』が各所て行われ、人々の目を楽しませてくれます。
秋空の下、数多くの鉢植えされた豪華な菊の花から漂う豊かな香り。
菊の代表的な色といえば、白色と黄色。
その二色に染分けされた、菊の花と同様に気品を感じるお菓子です。
菓銘菊の香
店名塩芳軒
住所京都市上京区黒門通中立売上ル飛騨殿町180
電話(075)441-0803
2020
926

萩の宿

2015年に出会ったこちらの和菓子。
宿の窓から望む、月と萩を表現しています。
黒漉餡を焼き皮で包んだお菓子は、まるで一枚の絵見ているようです。
菓銘萩の宿
店名鶴屋吉信
住所京都市上京区今出川通堀川西入
電話(075)441-0105
2020
927

丹波路

大地からの恵みがたわわに実る丹波の里。
松茸、栗、黒豆など、丹波で収穫された秋の味覚が店頭に並んでいる様子から秋の深まりを感じます。
いよいよ、そのような時期になってきました。
こしあんと蜜漬けした栗をこなしで包み、羊羹をかけて栗を模ったお菓子です。
菓銘丹波路
店名笹屋春信
住所京都市西京区桂乾町66-1
電話(075)391-4607
2020
928

十五夜

中秋の名月が近づいてきました。
京都では、『芋名月』と呼び、丸いお月見団子の代わりに里芋を秋の七草やすすきの穂と共にお月様に供えます。
2016年に出会った、小芋を模ったこちらの和菓子。
小芋を模ったお菓子があるのは『芋名月』が由来しています。
菓銘十五夜
店名緑菴
住所京都市左京区浄土寺下南田町126-6
電話(075)751-7126
2020
929

秋草抄

見頃を迎えた藤袴を目にするようになってきました。
秋の七草のひとつとして万葉集で詠まれている藤袴。
日本書紀にも登場するほど古来より親しまれてきた花です。
淡い藤色をおびた柔らかい独特な雰囲気の花が、そよぐ秋風に揺られる光景は、まるで印象派の絵画を見ているようです。
渡り蝶の『アサギマダラ』が海を超えて沖縄や台湾へ渡る途中に藤袴の花の蜜を求めて飛び交う様子もこの時期ならではの光景です。
2016年に出会ったこちらの和菓子。
藤袴を表現した焼皮製のお菓子です。
菓銘秋草抄
店名鶴屋吉信
住所京都市上京区今出川通堀川西入
電話(075)441-0105
2020
930

月見団子

秋の夜空に浮かぶ月が日毎に満月へと近づいています。
明日は中秋の名月。
京都では、中秋の名月に収穫への感謝や豊作祈願の意味を込めて里芋をお供えすることから別名を芋名月と呼びます。
京都でよく見かける月見団子は、真ん丸ではなく、月を里芋の形にして、餡を雲に見立てて作ります。
2017年に初めて出会ったこちらのお月見だんご。
もっと早くの出会っておきたかっと思ってしまうほど素晴らしい出来栄えです。
京都市内から見える美しい月のように光り輝くお団子。
そして、見るからに美味しそう。
まろやかな甘みが口の中に広がります。
菓銘月見団子
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
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