本日のお菓子
2021
31

春霞

弥生となり、本格的な春の到来も間近です。
これからの時期、よく耳にする『春霞(はるがすみ)』という言葉。
霞は、霧や靄(もや)の事であり、遠くの風景がぼやけている現象のことです。
古来より、現象は同じでも、春には『春霞』、秋には『秋霧』と呼び方を変えて表現しています。
このようなことからも古来の人々は、言葉をとても大切に扱ってきたことを感じることができます。
2016年に初めて出会った、こちらの和菓子。
外郎地に春を代表する色の若葉色と桃色をぼかして、風景がぼやけている様子を表現しているお菓子です。
このような色合いのお菓子を目にするといよいよ春がやって来たんだと感じます。
お菓子から、みなさんそれぞれの風景を思い浮かべて春を感じてみてはいかがでしょうか。
菓銘春霞
店名茶寮 宝泉
住所京都市左京区下鴨西高木町25
電話(075)712-1270
2021
32

ひなうたげ

明日(3月3日)は五節句のひとつ『上巳の節句』、雛祭りとして親しまれている節句です。
例年であれば京都各所で京都らしい華やかな年中行事が行われます。
2013年に初めて出会った、こちらの和菓子。
一目見て思わず「可愛い!」と叫んでしまいそうな外郎とこなしで模ったお雛様の意匠です。
(都合により、しばらくの間、上生菓子の販売はしておりません。)
菓銘ひなうたげ
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2021
33

ひちぎり

本日(3月3日)は、雛祭りとして親しまれている『上巳の節句』。
別名『桃の節句』とも呼ばれ、暖かな春の訪れを感じる行事です。
京都では、旧暦にならい、一ヶ月遅れて4月3日に行なわれるご家庭が多くあります。
その頃は桃の花が咲く頃。
そこから『桃の節句』と呼ばれるようになりました。
この時期に見かける『ひちぎり』は京都で作られる雛祭りの代表的な上生菓子です。
もとは平安時代、宮中の儀式の祝儀に用いられた『戴き餅』に由来します。
白いお餅を引きちぎって、真ん中を窪ませて、その上に餡を載せただけのものでした。
その『戴き餅』が、時代を経て江戸時代に現在のような意匠となりました。
華やいだ桃の節句にふさわしいお菓子です。
菓銘ひちぎり
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2021
34

桜もち

上巳の節句のが終わり、これからは桜の便りが気になるのではないでしょうか。
ひと足早く開花が始まっている河津桜。
あと2週間ほどで京都の桜シーズンの幕開けとなることでしょう。
和菓子屋の店頭では桜餅の文字を見かけ始める頃です。
桜シーズンが待てない方は、桜餅で春を感じてみてはいかがでしょうか。
菓銘桜もち
店名霜月
住所京都市北区西賀茂榿ノ木町5
電話(075)491-5556
2021
35

野に遊ぶ

本日(3月5日)より二十四節気では『啓蟄』、そして七十二候では『蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)』となります。
地中から虫が出てくる時期です。
これからの時季、虫だけでなく、すべての生き物、植物たちが目覚め始めます。
2017に出会った、こちらの和菓子。
黄味あんのまわりにクローバーの型でぬいた薄青の羊羹をはり合わせたお菓子です。
ポカポカと暖かくなり、虫たち、野の花たちが春を喜んでいる様子が表現されています。
菓銘野に遊ぶ
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2021
36

春一番

先日、3年ぶりに春一番が吹いた京都。
春をあらわす風として代表的なものとして『春一番』、『東風(こち)』などがあります。
ちなみに秋には『金風』、『野分』などがあります。
いずれも菓銘として使用される馴染み深いものです。
2019年に初めて出会った、こちらの和菓子。
春を思わせる色合いで作られた村雨製のお菓子です。
菓銘春一番
店名茶寮 宝泉
住所京都市左京区下鴨西高木町25
電話(075)712-1270
2021
37

ねじ梅

梅がかぐわしい香りを漂わせて私たちに春の訪れを知らせてくれています。
2018年に出会った、こちらの和菓子。
家紋として馴染みのある『ねじ梅』を模った、こなし製のお菓子です。
菓銘ねじ梅
店名亀屋重久
住所京都市右京区谷口梅津間町
電話(075)461-7365
2021
38

都の春

桜の蕾がほころび始める頃、『都の春』と名付けられた上生菓子が和菓子屋の店頭を彩ります。
芽吹いた柳を表現した柳色。
そして桜を表現した桜色。
この二色は京都の春には欠かせない色です。
2018年に初めて出会った、こちらの和菓子。
一般的には、柳色と桜色の二色で染め分けられていますが、こちらのお店では、二色で染め分けずに差し色として使用して都の春を表現しています。
菓銘都の春
店名笹屋守栄
住所京都市北区衣笠天神森町38
電話(075)463-0338
2021
39

花便り

ソメイヨシノの開花はまだ先ですが、早咲きの桜たちが見頃を迎えています。
2018年に出会った、こちらの和菓子。
桜を模った、こなし製です。
これからは花便りが様々なところから届くことでしょう。
菓銘花便り
店名えん寿
住所京都市右京区太秦多藪町14-93
電話(075)432-7564
2021
310

ふくらみ

本日(3月10日)からは二十四節気・七十二候では『桃始笑(ももはじめてさく)』となります。
桃の花が咲く頃という意味合いです。
昔は花が咲くことを笑うと表現していました。
実際には京都では、桃の開花はまだ少し先です。
3月下旬から4月上旬にかけて桜の陰でひっそりと咲く桃の花。
桃を題材にした和菓子の意匠は、桜の意匠に比べると数少なく、あまり見かけることがありません。
桃の花の色をピンクと表現されることがありますが、英語の【Pink】はナデシコを指し、正確には、桃の花の色を『桃染(ももぞめ)』と表現します。
日本書紀にも『桃染布五十八端』と記されているように古来より使われてきた色です。
2016年に初めて出会った、こちらの和菓子。
開花に向けてほころび始めた蕾を表現した、こなし製です。
『若緑』と『桃染』のグラデーションで時が流れているように感じる、趣きのあるお菓子です。
菓銘ふくらみ
店名笹屋春信
住所京都市西京区桂乾町66-1
電話(075)391-4607
2021
311

菜の花

桜とともに菜の花が京都の春を彩ります。
春の日差しを浴びた菜の花の鮮やかな黄色。
その色から元気をもらうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2016年に出会った、こちらの和菓子。
細かい目の毛通しで菜の花を表現した、繊細な口あたりのきんとん製です。
菓銘菜の花
店名伏見駿河屋
住所京都市伏見区下油掛街174番地
電話(075)611-0020
2021
312

桜花

時の流れと共に一輪、また一輪と花開く桜。
満開の桜よりも蕾が膨らみ満開へと向かうこれからの時期が好きです。
2019年に出会った、こちらの和菓子。
一輪を大切に愛でたいと思わせてくれる、こなし製のお菓子です。
菓銘桜花
店名芳治軒
住所京都市山科区椥辻中在家町9-1
電話(075)594-5523
2021
313

春の水

春らしい穏やかな気候が続くようになってきました。
一段と水の温もりを感じることができるこの頃。
2019に出会った、こちらの和菓子。
水辺に寄り添う桜が花開き、水面に映り込む光景に心奪われる瞬間。
待ちに待ったその時まであとわずかです。
鮮やかな色がなくても心奪われる美しい意匠のお菓子です。
(都合により、しばらくの間、上生菓子の販売はしておりません。)
菓銘春の水
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2021
314

花見だんご

京都御苑・近衛邸の糸桜などが咲きはじめています。
あと一週間もすれば京都の本格的な桜シーズンの幕開けとなることでしょう。
お花見といえば、華やかな三色のお団子。
2017年に初めて出会った、こちらの和菓子。
花見だんごとして皆さんにも親しまれていることだと思います。
お花見は平安時代には、既に貴族の間で行われていました。
その当時の桜はソメイヨシノではなく山桜で、和歌を詠み合ったり、雅楽や舞などの風流(ふりゅう)を楽しむものでした。
時代を経て1598年に行われた『醍醐の花見』で諸国のお菓子が持ち寄られて、現在のような風習のきっかけになったと伝わっています。
上新粉を原料にしたお団子の色は先から『ピンク』・『白』・『緑』の3色が一般的です。
その理由は諸説あります。
その中で私が好きなのは、桜にちなんだ説。
桜の蕾をピンク色で表現して、桜の花を白色で表現。
そして、花が散った後の葉を緑色で表現しているという説です。
真偽は定かではありませんが、桜の時期に食べるのですから、桜のことを想いながら食べたいものです。
菓銘花見だんご
店名游月
住所京都市左京区山端壱町田町8-31
電話(075)711-1110
2021
315

野遊び

2018年に出会った、こちらの和菓子。
桜と草花の芽吹きを表現しています。
春の香り(蓬)が口の中で広がります。
菓銘野遊び
店名えん寿
住所京都市右京区太秦多藪町14-93
電話(075)432-7564
2021
316

つくし

河川敷を歩いていると土筆が顔を出している様子を見かけるようになってきました。
子供の頃は『つくしんぼ』として慣れ親しんできました。
2017年に出会った、こちらの和菓子。
春の訪れを知らせてくれる土筆の焼印が印象的です。
菓銘つくし
店名幸楽屋
住所京都市北区鞍馬口通烏丸東入ル新御霊口町285-59
電話(075)231-3416
2021
317

初桜

桜の蕾がほころびはじめてきています。
昨日、京都市内に桜の開花宣言が発表されました。
2019年に出会った、こちらの和菓子。
桜の花を抽象的にこなしの茶巾しぼりと玉あられで表現したお菓子です。
菓銘初桜
店名京都鶴屋 鶴壽庵
住所京都市中京区壬生梛ノ宮町24
電話(075)841-0751
2021
318

てふてふ

先日より二十四節気・七十二候では『菜虫化蝶(なむし ちょうとなる)』となりました。
越冬したサナギが蝶となり舞う頃です。
2016年に初めて出会った、こちらの和菓子。
ひらひらと飛び舞う蝶々を模った外郎製です。
菓銘てふてふ
店名伏見駿河屋
住所京都市伏見区下油掛街174番地
電話(075)611-0020
2021
319

桜だより

桜の便りがあちらこちらから聞こえるようになってきました。
2014年に出会った、こちらの和菓子。
桜の焼印とピンクのぼかしが印象的な上用饅頭です。
菓銘桜だより
店名新町 日栄軒
住所京都市北区小山初音町61
電話(075)491-2204
2021
320

春景色

2017年に初めて出会った、こちらの和菓子。
芽吹いた柳、菜の花、そして桜。
みなさんは、どのような春の景色を思い浮かべるのでしょうか。
春らしいやわらかな色合いの外郎製のお菓子です。
菓銘春景色
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2021
321

しだれ桜

京都御苑の近衛邸跡に植えられている糸桜(枝垂れ桜)や平野神社の魁桜などの枝垂れ桜が見頃を迎えています。
2013年に初めて出会った、こちらの和菓子。
京都らしさを感じる枝垂れ桜を表現した外郎製のお菓子です。
菓銘しだれ桜
店名二條若狭屋
住所京都市中京区二条通小川東入る西大黒町333-2
電話(075)231-0616
2021
322

寿々の音

春の訪れと共に、花の香り、桜が待ち遠しく・・・
花見の頃には、神社を参拝する人々のならす鈴の音が京都に響きわたります。
2017年に出会った、こちらの和菓子。
備中白こしあんをいれて鈴を模ったお菓子です。
(都合により、しばらくの間、上生菓子の販売はしておりません。)
菓銘寿々の音
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2021
323

桜餅

2016年に初めて出会った、こちらの和菓子。
関東風として紹介される長命寺(焼き皮)製の桜餅。
京都では、見かけることが少ないお菓子です。
菓銘桜餅
店名茶寮 宝泉
住所京都市左京区下鴨西高木町25
電話(075)712-1270
2021
324

花小袖

2017に出会った、こちらの和菓子。
品よく型押しされた桜。
小袖を表現した、こなし製のお菓子です。
菓銘花小袖
店名新町 日栄軒
住所京都市北区小山初音町61
電話(075)491-2204
2021
325

駒止の桜

2018に出会った、こちらの和菓子。
京都から離れて富士宮市で花咲く桜にちなんでいます。
最古の山桜として、国の天然記念物にも指定されている日本五大桜の一つ『狩宿の下馬桜』。
1193年に源頼朝公が富士の巻狩りを行った際に、この桜の前で下馬し、馬を繋ぎ止めたと伝えられています。
そこから『駒止の桜』とも言われています。
また、江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜公もこの桜に魅せられて
『あはれその 駒のみならず 見るひとの 心をつなぐ 山桜かな』と詠んだと伝わります。
桜の色合いに鮮やかに映えるように、手綱を青色にして作られたお菓子。
古来から多くの人々を魅了してきた桜の気品と美しさが表現されています。
中には桜餡が包まれており、味覚からも桜を感じることができます。
(都合により、しばらくの間、上生菓子の販売はしておりません。)
菓銘駒止の桜
店名長久堂
住所京都市北区上賀茂畔勝町97-3
電話(075)712-4405
2021
326

花だより

酒蔵が立ち並ぶ伏見の街並みを流れる宇治川派流を満開の桜並木が彩ります。
2016年に出会った、こちらの和菓子。
桜のワンポイントがとても可愛らしい薯蕷製のお菓子です。
菓銘花だより
店名伏見駿河屋
住所京都市伏見区下油掛街174番地
電話(075)611-0020
2021
327

春うらら

春光を浴びた草花たちが目覚める季節。
様々な蕾がほころび花開きます。
待ちに待った、この季節に心躍ります。
そんな私たちの気持ちを表現した薯蕷饅頭です。
菓銘春うらら
店名笹屋守栄
住所京都市北区衣笠天神森町38
電話(075)463-0338
2021
328

花霞

京都市内を取り囲む山々にも満開となった桜の様子を見てとることができるようになってきました。
満開の桜によって、まるで霞がかかったようなその様子を『花霞』と表現します。
2018年に出会った、こちらの和菓子。
グラデーションで花霞の様子を表現した、こなし製のお菓子です。
菓銘花霞
店名千本玉壽軒
住所京都市上京区千本通今出川上ル
電話(075)461-0796
2021
329

ひとひら

こちらのお店からほど近くにある、桜の名所として名高い平野神社。
楼門の傍らに植えられている枝垂れ桜の『魁(さきがけ)』。
早咲きの魁桜が見頃を迎えると京都の本格的な桜シーズンの到来を告げます。
楼門よりも大きな魁桜は、まるで楼門を包み込むかのように優雅に咲き、訪れる参拝者を魅了します。
その魁桜も見頃を終えて、美しくも儚く散りゆく光景を目にする時期になりました。
外郎で花の様子を抽象的に表現したお菓子です。
菓銘ひとひら
店名笹屋守栄
住所京都市北区衣笠天神森町38
電話(075)463-0338
2021
330

池の春

2018年に出会った、こちらの和菓子。
そよ風に吹かれて余花の花びらが一枚、また一枚と儚く水面に舞い散ります。
水面で最後のラストダンス。
素敵な光景を外郎で表現したお菓子です。
菓銘池の春
店名游月
住所京都市左京区山端壱町田町8-31
電話(075)711-1110
2021
331

花あかり

昭和の日本を代表する画家の一人『堂本印象』。
独特の世界感に多くの人々が魅了され続けています。
その堂本印象と関わりが深いこちらのお店。
堂本印象の世界感を表現した、羊羹製のお菓子です。
菓銘花あかり
店名笹屋守栄
住所京都市北区衣笠天神森町38
電話(075)463-0338
prev前月 次月next

きょうの和菓子の玉手箱きょうの和菓子の玉手箱

きょうのお菓子

月刊京都連載
和菓子歳時記

スマートフォン、タブレットを縦にしてご覧ください。